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沢田研二75歳が、さいたまスーパーアリーナを満員にしたライブで放った“彼らしい一言”

2023/07/12
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 梅雨を蹴散らすような夏晴れの6月25日、さいたまスーパーアリーナ(SSA)を1万9000人の観客が埋め尽くした。「沢田研二LIVE2022-2023『まだまだ一生懸命』ツアーファイナル バースデーライブ!」。WOWOWで生中継されたライブは、ステージの両端に巨大スクリーンを設置、真ん中にはジュリーの精神を象徴する情熱の赤い旗が屹立した。
 

ジュリーがいた 沢田研二、56年の光芒』を上梓した島﨑今日子氏が見た、75歳の沢田研二とは。

69人に徹底取材した『ジュリーがいた』

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SSAでのライブを開演1時間前にキャンセル

 万雷の拍手と歓声が迎えるなか、スタートからゲストの瞳みのる、岸部一徳、森本タロー、そして虎の着ぐるみを着たジュリーが姿を現して、ザ・タイガースのナンバーの演奏が始まった。会場は一気にヒートアップ。「シーサイド・バウンド」「モナリザの微笑」を歌った沢田が挨拶に立つ。

「ついに今日の日がやってきたという感じでございます。あの日から今日のことを夢に見て、夢でこうしようああしよう、どうしようと思いながら、今日までやってまいりました」

 

 5年前の18年10月17日、沢田はここSSAでのライブを開演1時間前にキャンセルした。メディアはいつだってジュリーの名前に発情するが、このときはワイドショーで集中砲火を浴びた。今期のツアーで、彼は幾度もファンにお礼を告げている。

「あのとき、みなさんが僕のことをかばってくださってどんなに嬉しかったか」

 演奏の合間に、ジュリーは仲間と言葉を交わしながらデビューまでの経緯を明かし、内田裕也ら、恩ある人たちの名前を次々と挙げた。

「保険証だけは残して欲しい」

 タイガースのあとは20分の休憩に。この間、流れたのはなんと「太陽にほえろ!」と「傷だらけの天使」のサントラだった。ショーケンが演じ、大野克夫が作曲し、井上堯之バンドが演奏した曲。タイガース解散後のバンド、PYGの盟友たちの作品なのだ。