2022年3月、50歳を機に27年間勤めたTBSを退職しフリーアナウンサーになった堀井美香さん(51)。23年2月には、独立後の日々を綴ったエッセイ『一旦、退社。』(大和書房)を刊行した堀井さんに、“女子アナ”時代の話や安住紳一郎アナウンサー、久米宏さんとの思い出など、さまざまな角度から話を聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く)
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メイクは3分で終わり お金もあまり使わない生活
――今日はよろしくお願いします。あ、もしかして今日お持ちのバッグは『一旦、退社。』で紹介されていた愛用のお品ですか。
堀井美香さん(以降、堀井) よく気づきましたね。そうです、6年前に6万円くらいで買ったアンテプリマのバッグです。あまりにいつも持っているので「それ、おばあちゃんの形見?」と友人から聞かれたあのバッグです。(バッグに向かって)良かったわねぇ、今日はカメラマンさんにきれいに撮ってもらえて。
――メイクはサンプル品、洋服は毎日ジャージで良いと語られるなど、ご著書で堀井さんの意外な一面を知りました。
堀井 そうですね。化粧水は使わない日の方が多いですし、メイクは3分で終わりです。相当雑ですし、お金もあまり使わないし、今日も27年間通勤で使っていた小田急線に乗って参りました。
服装は視聴者が安心できる色味を選択
――一方、キー局の“女子アナ”はきらびやかな印象で語られることが多いですが、現役時代はそのイメージをどんな風に感じていましたか。
堀井 「女子アナとは」みたいなことは全然考えたことがなくて、“女子アナ”であることであれこれ言われることを嫌と感じたこともなかったんですね。むしろ、ある種の“型”がある方が私はやりやすかったんです。
――「型」というのはたとえばどういうものですか?
堀井 大学生の時は何もかもが自由過ぎて逆に混乱したんですけど、“女子アナ”というテンプレートがあることで、服装も視聴者が安心できるようなネイビーやベージュトーンをすっと選べたんですよね。