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当時、読売の編集主幹だった滝鼻氏には記事化の可否の相談はなかったという。それは忖度ではなく、
「しょせん週刊誌レベルの話だろ、芸能ネタだろ、被害者は女性じゃないだろ、って軽くみる風潮が記者にあったと思う」
朝日新聞論説委員の見解は
これに似た言葉を思い出した。5月の朝日新聞論説委員のコラムである。
『ジャニーズ性加害問題 新聞に欠けていたものは 田玉恵美』(5月27日)
《朝日新聞が本格的に報じたのは、被害を訴える男性が顔を出して実名で記者会見をした4月になってからだ。なぜ見過ごしてきたのか。自分なりに考えてみたい》
と始まるコラムは、
・この「セクハラ」が性暴力で、深刻な人権侵害にあたるとの認識が欠落していたことだ。女性への性暴力を精力的に取材していた記者でも「男性が被害者になりうるという感覚を持てていなかった」という。
・この疑惑は週刊誌が得意とする「芸能界のゴシップ」であり、新聞が扱う題材ではないと頭ごなしに考えてしまったのではないかと省みる人も多かった。
などいくつか理由を挙げていた。
「たかだか週刊誌の記事だろ」という新聞社の意識を挙げていたのは、読売元社長の見解と同じで興味深かった。やはり新聞社の人は週刊誌を下に見ていたんだなぁ。答え合わせができた2つの記事だった。
「忖度はなかった」と主張
あと朝日論説委員は《少なくとも私が知る限り、朝日新聞の取材現場がジャニーズに忖度しなければならない理由はないように思う。実際、真相を探ろうと取材した同僚もいた》とも書いていた。