佐川急便で、被害総額が少なくとも4億円にのぼる可能性のある横領疑惑が持ち上がり、不正に関わったとみられる社員4人が懲戒解雇されていたことが「週刊文春」の取材でわかった。

宅配便事業でヤマト運輸に次ぐ業界2位の佐川急便 ©AFLO

疑惑発覚の発端は、協力を要請された下請けからの通報

 佐川急便の現役社員が明かす。

「不正は首都圏の営業所を拠点にして行われていました。外部の協力会社に対し“運賃水増し”や“カラ運行”を強要した上で、佐川本社に過大な請求をさせ、その差額の一部をキックバックさせるという手法でした。特定の業者と癒着して優先的に仕事を回す代わりに、金品を受け取っていたケースもあったそうです」

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 疑惑発覚の発端は、悪事への協力を要請された下請けからの通報だった。

 不正は数年にわたって行われており、被害総額については、少なくとも4億円という人もいれば、長年の累計では30億円にのぼるのではと指摘する声も社内では囁かれている。