7月12日、京都府警が大麻取締法違反の疑いで、京都成章高校ラグビー部の元部員ら5名を逮捕していたことを「京都新聞」が報じた。部員間で大麻を譲り渡していたという。
全国高校ラグビー大会に15回出場するなど、ラグビーの名門校として名を馳せていた京都成章高校。「週刊文春」では今年5月、大麻逮捕疑惑を“隠蔽”しようとする学校の実態を保護者が告発していた。この問題をいち早く報じた小誌の特集記事を特別に無料公開する(初出:「週刊文春」 2023年5月4日・11日号 年齢・肩書きは公開時のまま)。
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「部を揺るがす重大事件が起きたにもかかわらず、学校は、隠蔽しようとしている。これでは子供を安心して預けることができません」
こう告発の声を上げたのは、全国高校ラグビー大会、通称“花園”に15回出場を誇る名門・京都成章高校ラグビー部員の保護者、Aさんである。
京都成章のラグビー部は1986年の開校と同時に創部された。
「特に前々回の第100回大会では初の決勝進出。桐蔭学園に敗れたものの準優勝に輝いた。翌年もベスト8、今回もベスト4という屈指の強豪です。昨年から日本代表の主将となった坂手淳史選手も同校出身。部員数は約100名で、関西を中心にスカウトされてきた選手が集う。専属のトレーナーや栄養士がいるなどプロ顔負けです」(スポーツ紙記者)
今年1月まで同部を指揮してきたのが、名将・湯浅泰正氏だ。
「湯浅氏は創部2年目から監督を35年間務めていた。今回、長らくコーチを務めていた関崎大輔氏に監督を譲り、自身は総監督となりました。今後は地域との連携を図り、京都ラグビー界の発展を目指していくと宣言しています。これまでの活動が評価され、4月には京都成章の校長にも就任しました」(同前)
ところが、その勇退から時を置かずして大事件が起きた。4月に大学進学を控えていた3年生の部員複数名が、3月下旬に大麻取締法違反で逮捕されたというのだ。