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山上被告、全1364件のツイートを分析 浮かび上がる「なぜ母でも教団関係者でもなく、安倍元首相だったのか」

source : 提携メディア

genre : ニュース, 社会, 読書

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「オレを殺したのは誰だ」とは、山上の2020年のツイートだ。そんな日本の過去30年と人生を共にせざるを得なかった(逃げることが叶わなかった)人々の呆然と途方に暮れるしかない負の感情が擦り切れ、局地的な「最後の爆発」を見せてきたのが、ここ数年ほどの日本のありようなのだ。

五野井は「ロスジェネの事件はこれからも続くと思いますよ」と発言している。

低成長に円安に最低出生率にジェンダーギャップ指数の底割れ。何一つ褒められないけれどとりあえず「延命」したこの国はいま、少しの「やったこと」ではなくたくさんの「やらなかったこと」のツケを払っている。下の世代を「見殺し」にして自分たちは「延命」した当事者たちは、その負債をちゃんと払ってから退場してくれるだろうか、それとも。

河崎 環(かわさき・たまき)
コラムニスト
1973年、京都府生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。時事、カルチャー、政治経済、子育て・教育など多くの分野で執筆中。著書に『オタク中年女子のすすめ』『女子の生き様は顔に出る』ほか。
山上被告、全1364件のツイートを分析 浮かび上がる「なぜ母でも教団関係者でもなく、安倍元首相だったのか」

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