「狭い」「暑い」「眠れない」……。そんなマイナスイメージから一転、“手軽なアウトドア体験”として身近になったのが車中泊だ。2022年に座席を全て倒してフルフラットにできる車種や便利グッズの登場、車中泊をテーマにした本が次々に登場するなど、人気を物語っている。
一方で、ごみや騒音など、利用者のマナーの悪さによって引き起こされる“車中泊トラブル”も相次いでいるという。今回は車中泊経験者たちに、過去に遭遇した“ヤバい”トラブルや、車中泊ならではの守るべきマナーについて聞いた。
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「サービスエリアの駐車場に大きなテーブルを広げてご飯を食べている人を見たことがあります。駐車エリアを占領してしまっては、他の利用者の邪魔になる。サービスエリアのスタッフに見つかれば当然注意されたのでしょうが……」
こう語るのは漫画家の小田原ドラゴン氏。小田原氏は、車中泊漫画『今夜は車内でおやすみなさい。』(ヤンマガWeb)を連載中で、過去には車中泊をしながら3か月もの旅をしたこともあるという。
“車中泊あるある”な光景の一つが、ゴミのトラブルだ。
「車中泊をしていると、ゴミがあっという間に溜まるんです。調理した際に出た生ごみ、レトルトパックの空き容器、移動中に飲んだドリンク、汗を拭いたボディーシート……。ホテルや旅館など、宿泊施設を利用すればそこで回収してもらえますが、車中泊の場合はたいていサービスエリアや道の駅で1~2日分のゴミをまとめて捨てることになってしまう。ろくに分別もしないまま捨てて、自分のゴミだけで公共のゴミ箱をいっぱいにしてしまっている利用者もいるんです」
自身の体験を描いた作品『#離婚して車中泊になりました』(ソノラマ+コミックス)がある漫画家の井上いちろう氏は、サービスエリアの駐車場でこんなシーンを目撃したそう。