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北海道と、ビジター開催地の気温差が大きいのではないか

 人間の体は寒暖差が約7℃以上あると、自律神経が乱れて、体調を崩しやすいと言われています。移動の多い野球選手、特にファイターズの選手は、北海道から全国各地に遠征します。特に8月は、北海道はそれほど気温が上がっていないのに、その他の各地が厳しい暑さで、「北海道と、ビジター開催地の気温差が大きいのではないか」ということが気になってきました。そこで暑さ最盛期、8月前半の最高気温(平年)を場所ごとに比べてみました。

【最高気温(平均値:8月1日~15日)】
札幌   26.9℃
仙台   28.7℃
所沢   31.8℃
千葉   31.3℃
大阪   34.0℃
福岡   33.0℃

 北海道は8月でも、25℃を少し超えるくらいの気温でした。過ごしやすいですね。ただ、そのほかのビジター開催地は30℃以上のところが多くて、最も気温差のある所で札幌↔大阪の7.1℃となっていました。他の球団も移動はありますが、本拠地が北海道にあるファイターズは多少、体への負担があるかもしれません。

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 ただ、このところ、北海道も夏は暑くなってきていて、特に今年は本当に暑すぎます。今年の8月前半の気温を見ていくと、

【最高気温(平均値:8月1日~15日)】(2023)
札幌   30.3℃
仙台   32.8℃
所沢   33.6℃
千葉   34.0℃
大阪   35.7℃
福岡   34.0℃

 となりました。

 札幌もなんと30℃超え。ほかの都市との気温差は少しだけ小さくなりましたね。過去5年間で、このように札幌で30℃を超えているのは今年だけでした。そんな厳しい暑さの8月、ファイターズの成績はというと、8月19日現在で、9勝6敗1分けと勝ち越しています。これまで負け越すことが多かった8月ですが、気温が高いと勝てる?!暑さが得意なのかもしれないと思いました。

 さらに調べていくと、気温の上がる日に、打率も上がる選手がいました。野村佑希選手と上川畑大悟選手です。8月に入ってからの球場周辺の最高気温が30℃以上の試合の選手成績を見てみました。

野村佑希 ©時事通信社

 まず野村選手は、37打数14安打で打率は.378と4割に迫る打率となっていました。このところ長打も多くなっています。そして上川畑選手は、15打席と打席数は少ないものの、15打数6安打で、打率は.400! 8月15日のロッテ戦では、5回2アウト満塁から、勝ち越しのタイムリーヒットを放ちましたね。チャンスに強いイメージはありましたが、どちらのチームに流れがいくかの大事な場面での大事なヒット。

 そしてこの日、上川畑選手はヒーローにも選ばれました。インタビューの中で、「最近ヒーローから遠ざかっていた」「(自分は)情けない成績が続いている」と話していましたが、調子の上がっている今こそ、熱いバッティングで、またチームに大きな流れを作ってほしいと思います。

 シーズン終盤ですが、まだ30試合ほど残っています。まだまだ残暑も厳しくて、気温の上がる日も続くと予想されています。少しでもファイターズの順位が上がるよう、きょうも応援を続けます。

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