医師として命の大切さを説いてきたはずだったが…
一方、大黒柱の修は、もともと紋別郡遠軽町の出身。地元の友人が振り返る。
「中学の頃から勉強ができてギターが趣味。教員だったお父さんの自慢の息子でした。社会人になってからもバンドを組んで音楽活動を続けていた。誘われてライブを見に行ったこともあります。
それと2016年だったかな、中学生向けの講演に医師として出た際、たまたま会場で地元の友人と再会したらしく、自分の中学生時代の写真を使った講演の名札を『懐かしいだろ』と送ってきたことがありました」
修は医師として命の大切さを説いてきたはずだった。2021年11月、札幌市内で行われた「過労死等防止対策推進シンポジウム」では「若者の過労自殺防止」をテーマに基調講演。音源を聞くとその中で修はこう言及している。
「ご家族と同居していても、心配かけたくないからとして、相談しない、できない。あるいは、直前まで元気に装うケースも多いので。よく自殺をね、家族はね、どうして見抜けなかったんだみたいな話をする人がいますが、家族にこそ心配かけたくないから、直前まで元気だと装うケースは多いようです」
逮捕後、瑠奈はこう供述したという。
「自分の中には何人もの人格がある。(犯行は)そのうちの1人がやった」
専門家の修が見抜いたのは、我が子の内面で猛り狂う復讐者の人格だったのだろうか。
◆◆◆
「週刊文春」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「公式ツイッター」のDMまで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス:sbdigital@bunshun.co.jp
公式ツイッター:https://twitter.com/bunshunho2386