「医者のお父さんとガーデニング好きなお母さん。ロングヘアの娘さんは、以前はお母さんと仲良さそうに歩いているのを見かけました。非の打ちどころのない理想的な3人家族に見えたのですが……」(容疑者宅の近隣住民)

 猟奇的な首狩り事件で逮捕されたのは、精神科医の父親とその娘だった――。

送検される田村瑠奈容疑者 ©共同通信

 7月2日、札幌市ススキノのラブホテルの一室から、頭部のない全裸遺体が見つかった事件。発覚から約3週間後、北海道警は、医師の田村修(59)と職業不詳の田村瑠奈(29)の父娘を死体損壊、死体領得、死体遺棄の疑いで逮捕した。

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 被害者は恵庭市に暮らす会社員のAさん(62)。ススキノでは、女装愛好家の「トモちゃん」として、一部で知られた存在だった。

 殺害される前日の7月1日は、市内で開催されたディスコイベントに1人で参加。宇宙服を想起させるシルバーのコスプレ衣装に身を包み、大音響のディスコミュージックが鳴り響く非日常の空間を堪能した。終了したのは午後10時。その後に近くで待ち合わせたのが瑠奈だったのだ。

周囲からは『トモちゃん』と呼ばれていた被害者のAさん

「合流した2人は、1日午後10時50分頃、ラブホテルに入室。Aさんは白いカーディガンのような上着に黒のロングスカート、瑠奈は上下白っぽい恰好をしていた。その約3時間後、黒系の服装に着替えた瑠奈は、つば付き帽子を深めに被り、大きなスーツケースを引いて、1人でホテルを後にした。車で瑠奈の送り迎えをしたのが父親の修だったと思われる」(捜査関係者)

 Aさんは入室後まもなく浴室で刺殺され、切断された頭部のほか、スマホや財布など身元の特定に繋がる所持品は全て持ち去られていた。