仲間と組んでいたバンドではギターやボーカルを担当
また「海外派遣自衛官と家族の健康を考える会」の北海道・東北支部代表幹事として、隊員が戦地や軍事演習で抱える“コンバット・ストレス”にも強い関心を寄せ、同会のイベントにも登壇。2019年には、精神医学と人権をテーマとした「医療九条の会・北海道学習会」に講師として参加した。当時の案内にはこうある。
〈「虐待」問題、IR法と「ギャンブル依存」、「発達障害」バブル… 何かあるたびにTVでは精神科医が色々コメントしますが、社会は全然よくなっている気がしないのはなぜ…? 精神医学におかませではなく、一人ひとりが正しい知識をもって、身近な問題として向き合うことが大切です。なんでも医学で解決できるかのような幻想を持つのは、やめましょう〉
他方で、修は音楽活動にも力を入れ、仲間と組んでいたバンドではギターやボーカルを担当。SNS上には、奇抜なメイクをしてマイクを握る本人らしき姿も確認できる。
そして、修と年代の近いAさんも、ススキノの街で女性ファッションに身を包み、自分らしさを解放して生きてきた男性だった。知人が振り返る。
「化粧、マニキュアもばっちりで、遠目には女性にしか見えなかった。ただ本人は『女装はするけど、女の子が好き』といい、週末になると、クラブやディスコ、ハプニングバーなどに出入りし、夜の街を楽しんでいた。でも今思えば、酔った女性の胸を触ったり、キスをせがんだり、LINEでしつこくデートに誘ったりなど、トラブルの芽がいくつかあったのも事実。出入り禁止になったお店もあった」
Aさんと知り合いだったという瑠奈は、なぜ彼を惨殺し、頭部を持ち去ったのか。そして、医師である父の修は、なぜ娘の猟奇的な犯行に加担したのか。実は事件の前後、厚別区の自宅では、ある“異変”が起きていた。
「お父さんは朝8時頃に車で出勤して、夜7時には戻ってくる規則正しい生活を送っていました。でも、ここ1、2カ月は夜、家を空けているようでした。帰ってきても10分もいないような感じで……。それと、あの事件が起きた後だったと思いますが、家の1階部分を白い布で覆って、中が見えないようにしていたんです。何かを隠したかったんでしょうか」(別の地元住民)
父と娘が手を組んだ首狩り殺人事件。その全貌も、まだベールに覆われている。
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