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 産経新聞は、万博協会だけに責任があるわけではないとも書く。

《国家プロジェクトとはいえ、万博誘致は維新が政権に働きかけて実現した経緯があり、他党からは「開幕までに準備できなければ、維新の責任だ」との批判も出ている。政府と万博協会、大阪府市の連携が改めて問われている。》(7月30日)

維新関係者の恨み節

 こちらの記事も見てみよう。朝日新聞は、今回の万博は第2次安倍政権時代、政権との蜜月関係を築いた日本維新の会の橋下徹氏や松井一郎氏ら当時の幹部が開催を求めて誘致にこぎ着けたものだ、と書いた上で、

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《維新と関係の薄い岸田首相に対し、維新関係者からはうらみ節が上がる。「安倍さんや菅さんならこんなことにはならなかった。首相はやる気があるのか」》(朝日新聞7月22日)

松井一郎氏 ©文藝春秋

 こうしてみると維新・馬場代表は、維新は「第2自民党でいい」と言ったが、たしかにそう思えてくる。おさらいすると、もともと自民党大阪府議だった松井一郎氏らが2010年、橋下徹府知事(当時)とともに地域政党「大阪維新の会」を設立した。そこから国政政党「日本維新の会」も誕生。

 さらに言えば維新は安倍・菅氏に近く、今でも菅氏との関係は注目される。安倍・菅氏が首相だった頃は蜜月だったが、関係性が遠くなる岸田首相のときは“野党的な”役割もしているように見える。万博はその時々の自民党との距離がわかるバロメーターなのかも。

「開幕ありき」に覚えた既視感

 7月26日、大阪府の吉村洋文知事は海外のパビリオンについて、独自建設に「固執するべきではない」と述べた。ここから見えてくるのは、

《開幕ありきで当初の計画や労働者を守るルールまでがゆがめられかねない状況》(東京新聞Web7月28日)

 開幕ありき……この言葉、どこかで既視感が……。