周囲から「やり過ぎ」と言われても、車弄りをやめられないフリークたちがいる。ド派手な車体に愛情滲ませひた走る、改造車オーナーたちのアツすぎる情熱に迫る!
今回は、スズキ・エブリィの車体を矢沢永吉さんのステッカーで埋め尽くす嶋﨑さんをご紹介。
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「永ちゃん仕様」で30年
エブリィをこういう風にしたのは、15年ぐらい前かな。その前の車もこんな感じだったから、全部でもう30年くらいやってるね。いや、武道館に行けば、同じような人がいっぱいいるって。それこそ、俺なんか全然話にならないくらい。
最初に永ちゃんを好きになったのは、小学校6年生のときだね。姉ちゃんが持っていたカセットテープのなかに入っていた曲を聞いて、衝撃を受けてさ。何にって、そりゃ、侠気にだよ。そんなの決まってるじゃない。
それからずっとファンをやってるけど、魅力を突き詰めるとやっぱ侠気ってことになるんだろうね。一番好きな曲とかもよく聞かれるけど、全部が永ちゃんの生き様だからさ。全部としか答えようがないんだよね。じゃなきゃ、車をこんな風にしないでしょ。
この車にはいくらかけたかな……もう3回か4回は貼り替えてるから、ステッカーだけで100万円は超えてるだろうね。いや、カミさんは何も言わないよ。出会った頃からこうだったから。「あんたの小遣いでやってね」とは言われるけど、今はカミさんも永ちゃんファンだしね。俺の影響だって言いたいけど、やっぱり永ちゃんの魅力あってこそなんだろうね。
この色もこの前塗り替えたばっかりなんだよ。前はラメ入りの黒だったんだけど、後ろからぶつけられちゃってさ。武道館のライブが近いから、ほんと困っちゃったね。しかたないから、板金屋の後輩に無理を言って、急いで仕上げてもらったんだよ。そいつも永ちゃんが好きだからさ、気合い入れてやってくれたよ。
どこに行くのもこの車だから、よく声はかけられるよね。お巡りさんにもファンが多いから、ちょっと止められて、話しかけられたりもするよ。「今度のコンサート行くんだろ? 俺も行くからよろしくな」みたいにさ。やっぱ永ちゃんファンには気さくな人が多いんじゃないかな。
この車にはカミさんとの思い出もいっぱいあるし、ステッカーも全部が気に入ってるから、手放すつもりは全然ないね。ずっとこれに乗ってくよ。