1ページ目から読む
2/2ページ目

印象的だったのは、棺が教会内に運ばれてくるシーン

 翌日、パリにいるバーキンの娘のシャルロット・ゲンズブールから村上氏のもとに「お葬式に来る?」と、ショートメールが送られてきた。

「ジェーンは日本が好きだったから、『黒い着物の喪服で参列するけどいい?』と送った。するとシャルロットは喜んで、『ぜひそれで来て!』と」

 葬儀は7月24日、パリのサンロック教会で行われた。宗教画や彫刻が飾られ、「芸術家の教会」とも呼ばれる。かつては劇作家ジャン・ラシーヌやピエール・コルネイユの、近年では小説家のフランソワーズ・サガン、ダンサーのパトリック・デュポンの葬儀が行われたことでも知られている。村上氏が印象的だったと語るのが、棺が教会内に運ばれてくるシーンだった。

ADVERTISEMENT

「通常は男性だけが担ぐところ、ジェーンの娘のシャルロット・ゲンズブールとルー・ドワイヨンが先頭で担いでいたのだ。しかも彼女たちは黒のパンツスーツに、白いスニーカーという男性的な格好で、教会内にはどよめきが起こったほどだった。その後、遺体はモンパルナスの墓地に埋葬された」

二人の娘も棺を担いだ ©時事通信社

 このほか、村上氏が初めてバーキンと会った時の印象、好きになった男性へのアプローチの仕方、彼女のファッションの秘訣、娘のケイト・バリーが亡くなった時に村上氏に話したこと、病気を押してまで来日しておこなった震災直後のライブや京都旅行など、「わが友ジェーン・バーキン」は「文藝春秋」2023年9月号(8月10日発売)と「文藝春秋 電子版」(8月9日公開)に掲載されている。

文藝春秋

この記事の全文は「文藝春秋 電子版」で購読できます
わが友ジェーン・バーキン