人気が出そうな作品の情報をいち早くキャッチ
また、Conyさんは、これから人気が出そうな作品の情報をコスプレイヤーから聞き出し、その世界観に合わせて既存の内装を変えたり、次にオープンするスタジオの内装に取り入れたりする努力も怠らない。
スペースは広いが難ありの激安物件を自分たちでリノベートして初期費用を抑え、コスプレイヤーが“あったらいいな”と思うサービスを展開。理想のスタジオをつくり、その数を増やしてきたConyさん。現在10カ所目のスタジオを建設中だが、それが完成したらとりあえずスタジオづくりは一旦終了する予定だ。
「実はコスプレスタジオの利用者数が最近少し落ち着いてきたこともあり、ブームはあと5年くらいかなと思っているんです。ただ、コスプレイヤー人口の増減は、漫画やアニメ、ゲームの人気にも左右されるので、今後爆発的なブームを巻き起こす作品が登場すれば、再び盛り返す可能性もあります。実は意外と水物だったりするんですよね」
コスプレイヤーの数は増えたが……
最近では台湾やロシアなど海外から撮影に来るコスプレイヤーもいるが、その先行きはまったく見えないそう。かつては衣装を自作する人がほとんどだったが、今はハロウィンの仮装のような感覚で、完成品の衣装を購入して撮影を楽しむライト層が増えたことも、Conyさんにとっては気がかりだ。
「数年前までは、コスプレイヤーはいわゆる“オタク”の方がほとんどでした。でも、最近は流行りに乗っかるような感覚で撮影に来る子が多いんです。流行っているうちはいいんですが、ブームが去ると一気にいなくなりそうで怖いですよね。あとオタクの世界は閉鎖的なので、一般の人たちに広がることを嫌がります。だからライト層が増えることでオタクのコスプレイヤーからも敬遠されてしまい、気づいたら誰もいなかったなんていう状態にだけはならないようにと祈っています」
TOKYO UNDER GROUND shinjuku studio
東京都新宿区四谷4-7 小林マンションB1
http://www.air-2013.com
撮影 杉山ヒデキ/文藝春秋(コスプレイヤーの写真を除く)