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『社会福祉法人を非道な形で乗っ取った』という人も

「一般論として、西氏の権利保護のためには成年後見制度を利用し、裁判所の監督の下で、適切に財産管理・身上保護を行うのが望ましい。仮に、特定の人物に財産管理を任せる意向があった場合でも、認知症の初期段階であれば、任意後見制度を利用する選択肢もあったはずです。今回のように、後見制度等を利用せず任意の財産管理契約にすると、西氏が判断能力を喪失した後、適切に財産管理が行なわれているかをチェックする第三者がいないため、透明性に欠ける部分がないとは言えません。西氏の認知症の進行が分かった段階で、本人に後見の申立てを促したり、役所に相談して市区町村長による申立てを検討してもらったりするべきだったと言えます」

 4月10日の会議から2カ月半後の6月25日付で、西氏は理事長を退任。代わりに、馬場氏が後任の理事長として就任した。馬場氏らが言及したように、西氏の死後に個人財産がすべて法人に寄付されるという自筆証書遺言が存在するなら、それを事実上手中にするのは、法人トップの馬場氏ということにもなる。

「不透明かつ私的な財産管理に加えて、馬場君は認知機能が衰えた西さんを追い出し、自ら理事長に収まった。『社会福祉法人を非道な形で乗っ取った』という人もいます」(元理事A氏)

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 8月4日夜、馬場氏を直撃した。

「あなたに! 説明をする必要はないから!」

当選4回を数える馬場氏の答えは… ©時事通信社

――ドレミの乗っ取りという声が出ているが?

「あなたに、あなたに、言われる筋合いではない!」

――認知症と分かりながら遺言書を書かせた?

「……」

――後見人でもないのに、財産を管理している。

「あなたに! 説明をする必要はないから!」

 同日、事実関係の確認を求める詳細な質問状を送付したが、8月7日夕方、秘書が以下のように口頭で答えた。

「回答は差し控える」

 日本維新の会を巡っては、8月3日発売号で報じたように、所属議員の不祥事が相次いでいる。そうした中、党代表の馬場氏に“公認パワハラ問題”に続き、社会福祉法人の“乗っ取り疑惑”が浮上した。社会福祉法人は公共性の高い非営利法人で税金などの優遇措置もあるだけに、馬場氏に対し、透明性のある説明を求める声が高まりそうだ。

 8月9日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および8月10日(木)発売の「週刊文春」では、馬場氏らが参加した4月10日の会議の詳細、元理事らの詳細な証言や、馬場氏が主導したとみられる社会福祉法違反の疑いのある法人運営、老人ホームに入居する西氏が語った言葉などについても報じている。

 また、「週刊文春 電子版」では、4月10日の会議の様子を収めた“乗っ取り疑惑”音声を公開している。

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