ディズニー長編アニメ『アナと雪の女王』が日本で公開されたのは、いまから4年前のきょう、2014年3月14日のことだった。

東京ディズニーランドで行われた冬のスペシャルイベント「アナとエルサのフローズンファンタジー」。プロジェクションマッピングでシンデレラ城に映画「アナと雪の女王」の世界を再現した ©時事通信社

 アンデルセン童話『雪の女王』を下敷きにしたこの作品の主人公は、触るものすべてを凍らせる力を持つ女王「エルサ」とその妹「アナ」。作中では、北欧のとある王国を舞台に、自分の力を制御できなくなり、雪山の中に一人閉じこもってしまったエルサを、アナが救うべく山へ入っていく。「白馬の王子様」に頼るのではなく、自らの力で人生を切り開いていこうとする2人のヒロインの姿、また主題歌「Let It Go」に出てくる「ありのまま」というフレーズは、多くの女性たちを中心に共感を集め、大ヒットへとつながった。何度も観て、映画館で思わず映像に合わせて歌を口ずさんでしまうファンも現れ、それに目をつけた関係者が、観客がみんなで歌える上映会を企画すると応募者が殺到するなど、さまざまな現象が生まれる。

日本語吹替版で主題歌「Let It Go~ありのままで~」を歌った松たか子 ©文藝春秋

『アナと雪の女王』は、日本公開から約2か月後の2014年5月第4週の週末には、世界興行収入12億1900万ドル(当時のレートで約1242億円)を突破し、歴代5位に浮上した。ディズニー・アニメーション・スタジオのエグゼクティブ・バイス・プレジデントのアンドリュー・ミルスタインは、この映画が世界的に受け入れられた理由の一つとして、「姉妹」を物語の軸としたことをあげている。ジェニファー・リーとクリス・バックの両監督は、ディズニー社の姉妹を持つ女性社員たちからさまざまな経験を聞き出し、姉妹のあいだに存在する相剋、冷たさ、喪失、和解、そういったもろもろの感情を物語に反映しながら、真実味を与えていったという(『プレジデント』2014年5月19日号)。

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 なお、今週金曜(3月16日)には、『アナと雪の女王』の新作となる中編『アナと雪の女王/家族の思い出』が日本で公開される(ディズニー/ピクサーの長編アニメ『リメンバー・ミー』との同時上映)。また現在、来年(2019年)11月に全米公開の予定で、続編の製作も進行中だ。