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「たかられ続けて20年」テレクラで稼いだ数千円を鬼親子に渡し続けていた和美容疑者

「奪った金のほとんどが、岡村親子に流れていました。岡村親子が盗んできた74万円とほぼ同額の買い物をしていたこともわかっています。こうした金の流れは今回の事件に限ったことではないようで、逮捕後に和美は『10数年前から金を岡村親子に渡していた』と供述しています。その総額は数千万円にのぼるとみられています」(同前)

 和美容疑者は20年ほど前に仕事を通じて岡村恵美容疑者に出会っている。その頃から恵美容疑者に金を渡し始め、当時住んでいた公営住宅を退去、路上生活を強いられるほど困窮していった。それでも知り合ってから20年にわたって岡村親子に金を渡し続けてきた。

和美容疑者が野宿を繰り返していたとみられる黒崎駅周辺。工場地帯である ©文藝春秋

「多い時は毎日数千円を様々な名目で渡していたようです。明確な借金があったわけでも、債権者と債務者という支配関係があったわけでも、恐怖心から払っていたわけでもない。逮捕後には和美容疑者は恵美容疑者のことを“友達”と説明していました。洗脳に近い状態だったようです」(地元紙記者)

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 ホームレスになるまで困窮した和美容疑者はいったいどのように岡村親子に渡す金銭を稼いでいたのか。

和美容疑者野宿を繰り返していた黒崎駅周辺の公園 ©文藝春秋

「資金源は、売春や北九州市内のテレクラで働いたりして工面したようです。和美容疑者はホームレスの支援団体などに存在を認識されていませんでした。目に付かぬように公園を転々としていたのか、売春相手と共に毎晩ホテルを転々としていたのか。これまでどのように生活してきたのか詳細は謎に包まれています」(同前)

近隣住民に話を聞くと…

 和美容疑者と岡村親子にはいびつな関係がある。長年、ホームレス状態の和美容疑者から金をせびってきた岡村親子とは一体何者なのか。

恵美容疑者が嫁いだ遠賀郡の自宅 ©文藝春秋

 和美容疑者が野宿生活を送っていた北九州市八幡西区から車で30分、昔ながらの小道が入り組む遠賀郡のとある漁村に、岡村親子がかつて暮らしていたという古ぼけた家があった。

 近隣住民らは事件について尋ねると、一様に「関わりたくない」と顔をしかめたが、ある女性が「恥やけん、誰も話さんよ……」と濁しつつ、20年以上前にこの地に嫁いできた恵美容疑者の印象を語った。