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エゴサーチの果てに、広島・デビッドソンのヒゲとゴマすりを調べることになった話

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/09/14
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 エゴサーチをしている。言うまでもなく、SNS等で自分の名前を検索して、自身の評価を調べる行為だ。嫌なことが書かれていたら傷つくことがわかっていながら、ついついやってしまう。とは言え私のような無名な人間は、検索してもほとんど引っかかることはないため、ある種の安心材料として行っているものでもある。

 ところが先日、X(旧Twitter)内で、立て続けに私の名前を記した投稿が引っかかったのだ。

「ところで、デビッドソンのホームランゴマすりの回転方向はどっち回りなのか? 何度見てもわからない。もし、ダイヤモンド一周のイメージでやっているのなら、左回りか。オギリマさんに調査を依頼したい」

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「オギリマ先生、デビッドソンのヒゲと打撃成績の関係性を調査してみてはいかがでしょう」

 なぜか調査を依頼されている。しかもデビッドソンの。私という人間が「なんかよくわからないことを調べる人」と認識されているということか。こうなったら調べてみようではないか、デビッドソンのヒゲとゴマすりを。

「ゴマすりパフォーマンス」について調べてみると…

 まずはゴマすりについて。今季からカープに加入した新外国人デビッドソンは、ヒットやホームランを打った際に、左の手のひらの上で右こぶしを回す「ゴマすり」パフォーマンスを行っている。今年3月のWBCでヌートバーが見せた「ペッパーミルパフォーマンス」の亜流かと思いきや、昨年、野間峻祥とマクブルームの会話から生まれたものだという。その後、2人がデビッドソンにしぐさや意味を教えたとのことで、デビッドソンは「打ったらこのパフォーマンスをやろう」という2人との約束を現在まで守り続けているわけだ(※注1)。

 シーズン初めには、野間本人がヒットを打った時に塁上で控えめにゴマをする様子も見られたが、今では「ゴマすりパフォーマンス」はデビッドソンの専売特許のようになっている。デビッドソンがホームランを打った際は、ベンチでチームメイトや首脳陣がゴマをすって出迎えるという場面も、もはやお馴染みとなった。

 そのデビッドソンのゴマすりの回転方向は、映像を確認したところ、オープン戦から現在まで一貫して右回り(時計回り)であることが判明した。理由は「デビッドソンが右利きだから」ということではないか。このコラムを読んでいる諸兄姉も試して欲しいのだが、ゴマすりのしぐさをする際には、利き手で拳を作って内側に回す人が多いと思う。それが証拠に、8月25日の試合でホームランを打ったデビッドソンを迎える際に、左投げの森翔平は左回りでゴマをすっていた。

ゴマつながりで ©オギリマサホ
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