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16歳までは変化球が苦手な外野手だった…ロッテのルイス・ペルドモが頼りがいのある投手になるまで

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/10/02
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「牧田には日本語を教えてもらった」

 19歳までドミニカのサマーリーグで実戦を重ねて海を渡った。19歳の時に出場したドミニカサマーリーグのオールスターゲームにはライメル・タピア、ガブリエル・ゲレーロなど、のちにメジャーで活躍した選手たちがたくさんいた。この期間での活躍が若者にとって大きな自信となり、アメリカに渡ってから大きな花を咲かせ、2016年にパドレスでメジャーデビューを果たす。

 ちなみに野手時代の経験が生きて2017年にはシーズンで三塁打4本の記録を残している。投手として1955年にロビン・ロバーツが記録して以来62年ぶりという事で当時、話題となった。これについてペルドモは「ピッチャーにはストレートしか投げてこないからね。早めのカウントから思いっきり打った結果。野手時代にあれくらい思い切って打てたらよかったのだけどね。ちなみにあの時は二塁打も1本打っているよ」と自慢げに話す。

 ピッチャーデビューした頃はカーブしか変化球を投げられなかったが、アメリカに行ってからチェンジアップ、シンカーを覚え、どんどん幅を広げていった。特にパドレス時代にシンカーと出会い、野球人生は大きく変わった。ダレン・バルスリー投手コーチから教えてもらったものだ。

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「ピッチングコーチに握りを教えてもらった。割とすぐに感覚を掴めて投げることが出来た。もともと三振を取るタイプではなくて、ゴロを打たせてとるタイプ。シンカーを覚えたことでさらにその確率を上げることが出来た」と胸を張る。

 自チームには同じくシンカーを投げる牧田和久投手も在籍していた。そして日本語も覚え、日本が身近な存在に感じるようになった。だから昨22年オフにマリーンズからオファーが来た時もすぐに決断をすることが出来た。

「日本には興味があった。アメリカにいる時からお寿司とか日本食も食べていたし、日本人選手との交流もあった。牧田には日本語を教えてもらった。マリーンズからオファーが来た時は新しいチャレンジの中で、自分も成長できると思った」と振り返る。

©千葉ロッテマリーンズ

22歳の新人通訳に送ったアドバイス

 日本で最初に目標に掲げていたのはオールスター出場。開幕からセットアッパーに定着し安定感溢れる投球を披露すると監督推薦で見事に目標を叶え、7月20日、マツダスタジアムでの第2戦で6回から登板し1回を2奪三振、無失点に抑えた。試合後は録画していたテレビ中継映像に嬉しそうに見入っていたのが印象的だ。

「オールスターは色々な選手と話をすることが出来てとても楽しかった。次の目標はもちろん勝ち続けて日本一になることだ。そのために自分は投げる試合は0に抑える」と意気込む。

 今年からマリーンズの通訳にサントス・高田・リッキーが加わった。父親がドミニカ人のまだ22歳の若者だ。6月8日のヤクルト戦(ZOZOマリンスタジアム)でポランコがお立ち台にあがると初めてヒーローインタビューの通訳を務めた。緊張すると新米通訳に「自信をもちなさい。注目を集める時こそなおさら自信をもって取り組みなさい。誰にだって失敗はある。ただ自信がないのはダメ。自分自身を信じてトライしてください」とペルドモはアドバイスを送った。その時のことを高田通訳は今でも忘れない。

 それは自身がメジャー昇格したばかりの時に同じドミニカ出身で、メジャーで大活躍をしていたチームメートのフェルナンド・ロドニー投手、カルロス・ビヤヌエバ投手に教えてもらったことでもある。

「配球や打者の事など投球の話もよくしてくれたけど、メジャーリーガーとしてどうあるべきかを教えてもらった。早く球場に来てしっかりと準備をしなさいとかね」とペルドモ。

 開幕から始まったマリーンズの快進撃をペルドモのピッチングなしには語ることは出来ない。それほど安定感溢れる投球でマリーンズの勝利に繋げてきた。それはホールドでリーグトップを独走していることからも分かる。右肩の張りで一時、登録を抹消されたが10日間の調整を経て9月28日に再登録された。

 さあ、シーズン残り僅か。1勝にさらなる重みが加わり重圧もかかる。マリーンズが勝ち続け、日本一の舞台に立つためには経験豊富で兄のような存在感を見せているペルドモの存在は欠かせない。

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