唯一の居場所であるホストクラブから離れることを決意
メンタルクリニックにも頻繁に通い、睡眠障害や不安障害の診断を受けていた。処方された向精神薬や睡眠導入剤を「飯」と呼び、過剰に摂取していたという。自傷行為で傷ついた痛々しい腕をSNSにアップするという不安定なところもあった。
「でも、店にいる時のりりは常に笑顔で明るくて、病んでる素振りは感じられませんでしたよ。たしかに腕の傷はエグイんですけど、『自傷行為って可愛い』とか、『わざと浅く切って血が少しずつ出て来るの大好き』と言ってました。ポジティブで悲壮感はなかったですね」(前出・Bさん)
だが、渡辺容疑者は自他ともに認める唯一の居場所であるホストクラブを離れる決断をする。
「6月でしたね。売掛の返済でやってきたのを最後に、ぱったりと姿を見せなくなりました」(前出・Cさん)
『本当はすごくすごくホストに行きたい』本気で心を入れ替えようとしていた
渡辺容疑者はSNSを頻繁に更新し、自身の置かれた境遇を常につぶやいていた。その遠回しなSOSを見かねた支援者の手を借り、7月には「ホス狂いを卒業する誓約書」を書いている。周囲には「詐欺師になっちゃうのが嫌だからもうホストに行けない」とこぼしており、 “頂き女子”からの引退を示唆してもいた。直近の渡辺容疑者の様子をAさんが明かす。
「これまで自分の将来について話したことのなかったりりちゃんが、最近は『もう悪いことをしないで、33歳くらいに子供を授かりたい』と言うようになり、本気で心を入れ替えようとしていました。でも『本当はすごくすごくホストに行きたい』って何度も負けそうにもなってて、りりちゃんらしいなって(笑)」
ホス狂、オーバードーズ、自傷、詐欺的行為……渡辺容疑者が逮捕されたのは、そこから抜け出そうとした矢先のことだった。