東証プライム上場の大手住宅メーカー「タマホーム」に勤務していた30代の営業マンが、顧客から振り込まれた約6000万円の代金を横領していたことが「週刊文春」の取材で分かった。

問題が発生した佐世保営業所 ©文藝春秋

過去には「ワクチン禁止令」も…

 1998年に創業したタマホームは「ハッピーライフ、ハッピーホーム」の広告とともに、安価な戸建て販売を柱として急成長。2023年5月期の連結売上高は2560億円(前期比6.4%増)。全国に支店を展開し、連結で従業員3329人(5月末時点)を抱える。

「週刊文春」はこれまでそんなタマホームに関する様々な問題を報じてきた。

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 2021年、コロナ禍の真っただ中。創業者の長男で2代目の玉木伸弥社長(44)の意向で、社員たちに「ワクチン禁止令」が言い渡されていたのは既報のとおり。玉木社長は社内向け動画でこう語っていた。

玉木伸弥社長(タマホームHPより)

「新型コロナウイルスは、マイコプラズマの菌にエボラとエイズの菌を混ぜて作ったウイルスだと言われております」

 さらに、取締役や支店長ら幹部数十人が<自己啓発セミナー#GoToデリバリー>と称するLINEグループを結成。「社長のご紹介」として性風俗店の利用を推奨していた実態も明らかになっている。

CM出演している松平健(タマホームHPより)

事件を起こしたのは「トップ級のセールスマン」

 そして今回、新たに発覚したのが社員による巨額の横領事件だ。

 大金を懐に入れたのは、長崎県の佐世保営業所に勤めていた男性営業マンX氏(35)。妻子のある身で、「新卒からタマホーム一筋。営業成績の良いトップ級のセールスマン」(タマホーム関係者)だったという。