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《ルフィ再逮捕》「俺は赤子の時、川に棄てられた」とウソ、暴走族の頭…今村磨人“悪の履歴書”と“サッカー少年時代”写真

《ルフィ再逮捕》「俺は赤子の時、川に棄てられた」とウソ、暴走族の頭…今村磨人“悪の履歴書”と“サッカー少年時代”写真

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 全国的に相次いだ広域強盗事件を「ルフィ」などと名乗り指示していたとみられる男4人に対して、警視庁は12日午前、今年1月に発生した東京・狛江市での強盗殺人事件を指示していた疑いが強まったとして、強盗殺人容疑で再逮捕した。

 日本中を震撼させた「ルフィ強盗団」の手口、そして、彼らが罪を犯した理由とは何だったのか。事件を報じた「週刊文春」の記事を再公開する。(初出:週刊文春2023年2月9日号/年齢・肩書きは掲載当時のまま)

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2月7日、日本に強制送還された今村磨人容疑者 ©文藝春秋
今村とともに身柄を引き渡された藤田聖也容疑者 ©文藝春秋

 ルフィが日本に戻ってくる――。フィリピン当局は、日本各地で相次ぐ強盗事件の指示役とみられ、マニラ首都圏のビクタン収容所に拘束されている4人の男たちの身柄を、日本に強制送還する見通しだ。

ルフィグループが巣食っていたビクタン収容所

メンバーは渡邉をボスとした特殊詐欺事件からの繋がり

 この“ルフィグループ”の中核メンバーは、今村磨人(きよと)(38)、渡邉優樹(38)、藤田聖也(としや)(38)、小島智信(とものぶ)(45)の4人。彼らが関わった事件では既に計70人以上が検挙され、被害規模は2018年11月~2020年6月ごろに全国約2300件、被害総額は約35億円に上る見込みだ。

 メンバーの中でも、中心的役割を担っていた一人が今村である。

「元々は渡邉をボスとした特殊詐欺事件から繋がっていた。ただボスは渡邉だが、今村の方が稼ぎはよく、同格の存在でした」(今村の知人)

 180センチの長身に醜くたるんだ腹部。刺青はないが、右腕の前腕部に根性焼きの痕がいくつも暗い色を浮かび上がらせている。

選抜チームにも選ばれるほどサッカーが上手かった

 今村はビクタン収容所の中で、自身の生い立ちをこう語っていたという。

「俺は赤子の時、『磨人』と書かれた段ボール箱に入れられて、川に棄てられていた。札幌の施設で育ったんだ。親やきょうだいはいない。気楽でいいよ」

 だが、札幌市内の円山小学校と向陵中学校の同級生は、こう証言する。

中学はサッカー部で活躍していた

「孤児だなんて聞いたことなかったです。親が離婚するなど確かに家庭は複雑だったようですが、3人兄弟の末っ子。当時は『渋谷』という姓でした。小中とサッカー少年で、選抜チームにも選ばれるほど上手かった」

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