「反自民非共産でまとまるのはあってもいいと思うんですけど、現状だと憲法の問題を出した瞬間に絶対まとまらない。だから1回憲法改正した方がいいと思ってるんです。憲法を一字一句変えないことを論点から消すことが、野党がまとまっていくために必要なんです」
今月の内閣改造での連立与党入りが取りざたされた国民民主党。玉木雄一郎代表は9月14日、文藝春秋電子版のオンライン番組「青山和弘の永田町未来café」に出演し、国民民主党が自民・公明の与党に接近する理由と、野党結集の可能性について赤裸々に語った。
「自民党とは23の選挙区で候補者がだぶっている」
9月2日の国民民主党代表選挙で与党との連携の必要性を訴える玉木氏が勝利すると、自民党内では内閣改造に合わせた国民民主党の連立政権入りを模索する動きが急浮上した。
来るべき解散総選挙に向けて国民民主党を支援する労働組合を取り込み、野党を分断する狙いだったが、結局今回は見送りとなった。玉木氏にその理由を質すと、選挙区調整が最大の理由だと明らかにした。
「連立は一般論として、政策の一定の合意と同時に、選挙区の調整ができないとなかなか難しいですね。長年続いてきた自公(連立政権)でさえ、新しい10増10減の選挙区を巡ってこれだけ揉めるわけです。海外を見渡しても、連立協議って選挙区も含めて何ヶ月もかかっているわけ」
政策の実現のために「いつかは政権を担いたい」と語る玉木氏だが、「自民党とは23の選挙区で候補者がだぶっている」と話す。自民党幹部も「国民民主党とは政策での合意は何とでもなるが、『連立を組むから選挙区譲れ』と言われて納得する議員はいない」と語り、最大のハードルは選挙協力だとしていた。
そして問わず語りで玉木氏が話しだしたのが野党結集の難しさだ。代表選挙で野党勢力の結集を訴えた前原誠司元外相とも、認識が一致した点があったという。
「前原さんとも一致したのは、野党が政権取るとしたら、やっぱり憲法と安全保障とエネルギー政策は現実的にやるしかないねと。でもそうじゃない左派的な野党が、日本には一定程度いるんですよ。なので野党が絶対一つにならない。よってもって自公は安定する。
反自民非共産でまとまることを追求しても見果てぬ夢なので、それ以外の政権のリシャッフルの方法を模索していかないと、結局自公が続いてしまってこれはこれでよくないと思うんです。いろんな連立の組み合わせが可能になるような状況の方が、多様な民意をしっかり丁寧に聞くような政治文化が育っていくんじゃないかと私は思っています」
「護憲という論点」が消えないと野党結集はできない
選挙結果などによって国民民主党がキャスティングボートを握り、新たな連立の枠組みを作るという戦略だ。玉木氏は「将来いろんなことがまた起こるから」と期待感を滲ませつつも、「その時に少なくとも共産党や公明党ぐらいの基盤の政党になっておかないと、どういう形の組み合わせになったとしても中核的な役割は果たせない」と、キャスティングボートを握るには今より国民民主党が大きくなる必要があるとの認識を示した。