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 その一方で玉木氏は野党結集の可能性も完全には否定しない。条件として与野党合意の上で憲法改正が実現することを挙げた。

「現状だとまず憲法の問題を出した瞬間に(野党は)絶対まとまらない。同じ政治が続きますよね。だから私は野党がまとまって力を発揮するためには、憲法改正に一歩踏み出したらいいんじゃないかと立憲民主党の方々にも言ってるんです。憲法9条(の改正)だとイデオロギーが前に出るんで、例えば53条の『総議員の4分の1以上が求めたら臨時国会を開かなくてはならない』という条件を『20日以内』にしろとか。

 また有事においては国家も人も正気を失うのは歴史が教えていることなんで、有事においてすら絶対に侵害してはならない権利をむしろ明示して、立憲主義と基本的人権を守るという近代的な緊急事態条項をぜひ与野党で合意して入れましょうと。(こうして)護憲かどうかの論点が野党の政治シーンから1回消えないと、野党がまとまることはできないんです」

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 この玉木氏の主張に番組に出演した評論家の宮崎哲弥氏も賛同する。

「憲法53条っていうのは、もう文言上の実効性がない。これ変えるのになんらイデオロギー的対立はないはず。また大災害とか戦争っていうのは例外状況なんだけれども、そういう緊急事態条項をナチスが悪用して法外なことをやったのも事実なんで、きちんと守るべき権利、例外視してはいけない権利があるということを明記するのは私も賛成です」

©文藝春秋

目出つことは「これでも足りない」

 番組の最後に筆者は「玉木氏は結局自分が目立ちたいだけじゃないか」という、永田町でしばしば耳にする批判をどう受け止めているか質した。玉木氏は悪びれた様子もなくこう胸を張った。

「21人の政党なんで、これでも足りないと思います。私でさえまだまだ(国民に)知られてませんから。こんなちっちゃな政党は、常に全身全霊で水かきしながら少しでも露出を増やしていくし、それは全ての議員にもやってもらいたい。ただ代表が余裕かまして『俺は出ないで、みんなやってくれ』って言ってたらとても(政党)支持率なんて伸びませんよ」

 2017年の希望の党騒動に巻き込まれた多くの議員たちは、ある者は個別に自民党に移籍し、ある者は立憲民主党に合流し、ある者は無所属で活動し、玉木氏らは国民民主党で独自の道を歩む。そんな国民民主党が自民党にも野党にも吸収されずに存在感を保ち続け、政界のキャスティングボートを握る日が来るのか。道のりは険しいが、「対決より解決」を掲げた政治家玉木雄一郎の真価は、そこで問われることになるだろう。