夢グループのCM出演を機に、知名度を急上昇させた歌手の保科有里さん。ところがCMに大抜擢された当初は、あまりも突然のことから「社長の愛人」という疑惑を抱かれたことも……。
保科有里さんが語った「石田社長との愛人疑惑の真相」を、初の自伝『愛人!? 困っちゃう・・・』(山中企画)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)
◆◆◆
「ヒット曲のない歌手」を当てようとする社長の「意地」に感謝!
司会以上に真剣に悩んでいたのが「私自身の立ち位置」です。
夢コンサートに出演されている歌手の皆さんは、どなたも大ヒット曲がある。その中で、たとえ歌うのが1曲だとしても、ヒット曲もない私が出て歌っていいのだろうか?
皆さんに迷惑をかけてしまうのではないか?
実際に、そういう声もあったんです。出演者やまわりの方々の中からも、
「これだけの歌手が揃ってるんだから、保科はいらないんじゃないか」
「ヒット曲のない人間に歌わせることはないだろ」
「彼女が出てると、コンサートの格が下がる」
いろいろです。陰で言うばかりではなくて、面と向かって言われたことだってありました。
私だって、いやっていうほどわかってます。
そのうちに、せっかくたくさんのスターがいるのだからと、2014年になって、今度は社長はお芝居とコンサートの二本立てで全国を回る企画を始めました。もう、アイデアが浮かんだら、とにかく走り出しちゃう社長なんです。
なんと主演は小林旭さんと松方弘樹さん。旭さんが織田信長役で松方さんは斉藤道三役。それに道三の娘で信長の妻になる濃姫役が浅丘ルリ子さん。信じられないくらいの豪華メンバーです。タイトルは『熱き心で突っ走れ』。一部はそのお芝居で、二部は夢コンサート。チェリッシュさん、狩人さん、三善英史さんも参加されて、私も一部は待女と町娘役で出演もして二部では歌いました。
2年間続きました。出して頂けるのは光栄だったですけど、正直、とてもつらかったですね。いつも以上に豪華な顔ぶれじゃないですか。その中に私が加わっていて本当にいいのか?
この頃でしょうね。社長とよくお話するようになったのは。お話というより、相談かな。
「本当に私でいいんですか?」
「大丈夫。気にしないでやりなさい」
え~! 気にしますよ。私の方では、ずっと悩んでました。社長が私を「エコヒイキ」してるように見えるのは事実だし、「愛人」じゃないか、なんて少しずつ言われるようにもなって来たんです。それでも何が出来るのか、若い役者さん達と仲良くなって、現場が楽しくなったらいいと、そちらを楽しむようにもなりました。
私を起用したのは、へそ曲がりな社長の「意地」だったんだと思います。いろんな方に、「保科なんていらないだろ」と言われると、社長は、逆に「だったらぼくが売ってやる」と燃えちゃうタイプ。この「おへそ曲がり」のおかげで、今の私がいるので、社長の「おへそ曲がり」にはかなり感謝しています。