今年5月、東京・銀座の高級腕時計ロレックス専門店「クォーク銀座888店」で起きた強盗事件。東京地裁は9月25日、強盗罪などに問われた無職の鳥居聖真被告(18)に対し、懲役4年6カ月の実刑判決を言い渡した。

 事件を起こした少年たちは一体何者なのか。当時の記事を再公開する(初出:文春オンライン 2023年5月10日 年齢・肩書きは当時のまま)。

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「“ガシャン!”というガラスが割れる鈍い音と、耳をつんざくような警報音が、街中に鳴り響いていました」

 5月8日、東京・銀座の高級腕時計ロレックス専門店「クォーク銀座888店」で起きた強盗事件。犯行グループとみられる少年4人が逮捕されているが、一部始終を目撃した50代男性はこう話した。

 事件が起きたのは午後6時15分ごろのことだ。覆面姿の3人が店内に侵入し、店員男性らに対してナイフのような刃物を突きつけて「伏せろ。殺すぞ」などと脅迫。所持していたバールのようなものでショーケースを次々と割り、腕時計など100点以上を奪ったのちに車に乗り込み逃走した。社会部記者が解説する。

事件後、被害に遭った店舗は“観光名所”のようになっていた

目撃者の50代男性「どこかおぼつかない手つきだった」

「警察が逃走した男らの行方を追い、港区赤坂で事件に使用されたとみられる車を発見しました。その後、近くのマンションの部屋などに侵入した疑いで、高校生を含む16歳から19歳の少年4人を現行犯逮捕しています。奪われた腕時計は最高額で2200万円のものもあり、被害額は1億円相当にのぼると言われています。

 逃走に使われた白いワンボックスカーはレンタカーでしたが、用意周到にナンバーが付け替えられた“改造車”でした。逮捕現場の近くでは腕時計30点が入った黒いバッグも見つかっています。また、車にはもう1人いたという情報もあり、当局は指示役の存在を含め全容解明に向けて捜査を続けているところです」

アノニマスの覆面を被った男

 強盗団が店に滞在した時間は10分程度だったが、類似する犯行と比べて所要時間が長い。目撃者の50代男性は「どこかおぼつかない手つきだった」と話す。