普通のサラリーマンが「億万長者」に――ファイターズファンさん(50代男性、仮名)はスポーツくじ「BIG」で1等6億円が当たった。
高額当選者の「その後」はいかなるものか。早期リタイアを決めた経緯から現在の暮らしぶりまで、話を聞いた。(全2回の2回目/最初から読む)
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サラリーマン時代の年収は?
――昨年末に6億円当選されるまでの暮らしぶりは、どのような感じでしたか。
ファイターズファンさん(以下、ファイターズ) 普通のサラリーマンで、いちおう管理職といいますか、課長職についていました。
――差し支えなければ、年収はどのくらいでしたか?
ファイターズ 750万円くらいでしたね。実は、私は大学時代に留年に留年を重ねて、卒業までにかなり時間がかかったんですよ。バブル期に大学に入学して、卒業する頃には就職氷河期。もう浦島太郎のような状態で……なかなか勤め先が決まらずに苦労して、ようやく小さな会社にパートとして採用してもらえました。
――ストレートで卒業した同級生はバブル入社ですよね。
ファイターズ みんな内定をもらった後、囲い込みで逆接待されていましたね。かたや私はパートから始まって、一生懸命働いて何年もかかって正社員になり、徐々に仕事を任せてもらえるようになって。勤め先の会社も東証二部上場、一部上場という感じで大きくなっていきました。
そういう経緯もあって、私を採用してくれた会社に恩返しをしたい気持ちも強かったですし、生活のためにはお金を稼ぐ必要があるので定年まで働くつもりでした。その後も再雇用制度を使って65歳までお世話になろうとも思っていました。
早期リタイアした理由
――しかし、退職を決意されたのですよね。どういう心境の変化があったのでしょうか。
ファイターズ 家族と過ごす時間をもっと大切にしたいと思ったのが一番の理由です。特にここ数年は本当に仕事に忙殺されていて、休日でも会社からの呼び出しが頻繁にありました。
忙しい日々の中でささやかな楽しみと言えば、妻とランチに出かけることでしたが、タイミングが悪いことに、いつも注文した料理が出てきたタイミングで会社から電話が入るんですよね。
何だかんだと電話で対応して、やっと席に戻れた頃には、妻は先に食べ終えていて、私の分の冷え切ったランチだけが残っている、みたいなことがしょっちゅうでした(苦笑)。