「入社してきたのは小松が18歳の頃。それまでは阿見町の塗装屋で働いていたようですが、トラブルを起こして職場にいられなくなったという。ウチには正社員として入ってきました」(A氏)
閉店後の駐車場で起こったある“事件”
新人だった小松の仕事はもっぱらホール清掃だった。
「頭の回転は速い。仕事は真面目にこなし、アルバイトにも的確に指示を出していました」(同前)
ところが、ふとした瞬間に“狂気”が垣間見えたという。
「彼は基本的には仲間思いの奴なんですが、スイッチが入ると急に人格が変わる。癇に障るようなことがあると、すぐ手が出るんです。アルバイトの子とも揉み合いになったこともあったし、客ともトラブルになる。パチンコ屋の従業員は客に文句を言われるのは馴れっこなので、大抵は聞き流す。ところが小松は突っかかっていくんです。そんな中、“事件”は起こりました」(同前)
2020年5月の深夜。小松はある先輩社員と閉店後の駐車場を整備していた。突然、小松の“スイッチ”が入った。
「なんでお前が俺に指図するんだよ!」
キレた小松は先輩を怒鳴りつけ、隣接する店の敷地まで身体を引きずっていったという。A氏が明かす。
「バラしたらどうなるかわかってんだろうな?」先輩社員を脅迫
「小松は先輩社員の顔面を2、3発殴ったというのです。もともと喧嘩っ早い男というのは知っていたので、顔に傷を負った先輩社員が店に戻って来た時、『これは小松がやったな』とすぐにわかりました。先輩社員にとっては明らかに理不尽な出来事。ところが、上司に言いつけることもせず、黙っているんです。何かがおかしいと思った」
不自然な態度。A氏はその理由を後に知ることとなる。実は小松はこの先輩社員に対し、
「このこと(殴ったこと)をバラしたらどうなるかわかってんだろうな?」
「お前の家族も住所も、全部わかってんだからな?」
と脅迫していたというのだ。
「この先輩社員は小松に脅されていた。だけど怖くて誰にも相談できなかったそうなのです。殴られた時も、逆に先輩社員が小松に謝ったとか。小松は『次からは調子乗るんじゃねぇぞ』と吐き捨てたそうです」(A氏)