――採用されたら、研修などはあるのでしょうか?
水谷 採用だけして放置する店もありますが、しっかりと研修をする店もあります。事務所にダブルベッドを置いて女性講師を招いて講習を開いたり、男性同士で練習したり、元セラピストの男性講師から教えてもらうこともあるそうです。
また女性モニターを募集して、5000円程度の報酬で練習台になってもらうこともあります。全然感じない人の役になってもらったり、工夫して練習しています。
――大変そうな仕事ですが、モチベーションは何なのでしょうか?
水谷 シンプルに「お金」という人は沢山います。兼業セラピストの中には「趣味、ライフワーク」として5万円分稼げるだけでよくて、月2回程度しか出勤しない人もいました。その人は、女性にサービスするのが生きがいなんだそうです。
やりがいとしては「女性を幸せにしたい」とよく聞きますね。そうすることで自己肯定感が上がるそうです。また「自分と会った時の、女性の“わっ、カッコいい!”という表情を見るのがたまらない」という人もいました(笑)。
セラピストに依存してしまう女性も
――男性セラピストには、どんなリスクがあるのでしょうか?
水谷 リピートしてほしかったり、女性に喜んでほしい気持ちが先走るあまり、要望に応えすぎて、距離が近くなり過ぎた結果、女性側が依存してしまうことがあります。
寝ている間に身分証をコピーされたり、家まで尾行されたり、目の前で手首を切られたという人もいました。稀に「合意がないのに性行為をされた」と訴えられることもあるそうです。
本当に恋愛しているような態度を取る「色恋営業」をするとトラブルになる傾向があります。でも、特にそうしているつもりがなくても依存されやすいと聞きますね。
色恋営業はリスクが大きいのですが、挿入するとリピート率が上がるので「本当はダメだけど君が好きだから入れてあげる」と自分から仕掛けるセラピストもいます。
――女性側から挿入を求めることはあるのでしょうか?
水谷 7割から8割くらいの女性が求めてくるそうです。「それを言われるのが辛い」というセラピストが結構いました。「最後まで遂行できるのか」というプレッシャーが凄くあるそうです。ただ、「可愛い子は言ってこない」とも言っていました。
取材したセラピストはみなさん「違法なので挿入は絶対にしません」と言っていましたが、本当のところは分かりません。お客さんとして出会った女性と交際している人もいるので、結果的に2人が良ければいいのかなと思います。
――性的なサービスをする中で、大変なことはあるのでしょうか?