コロナで需要が拡大し、近年は店舗数が50倍以上にまで膨れ上がったと言われる「女性用風俗(通称:女風)」。ところが、中には女性客が望まないサービスを提供して、トラブルに発展するケースも。
最新作『僕は春をひさぐ~女風セラピストの日常~』で、女性用風俗の世界を描いた漫画家の水谷緑さんに「問題のある店の見分け方」や「執筆の理由」などを教えてもらった。(全2回の1回目/後編を読む)
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コロナ禍で需要拡大、店舗数が50倍以上に
――私自身、夫婦関係に悩んでいたときに興味が湧いたことがあったのですが、どうしても怖くて利用できませんでした。最近は「使ってみた」という声をちらほら聞くことがあるのですが、お店は増えてきているのでしょうか?
水谷緑(以下、水谷) 4年ほど前までは都内に5店舗くらいしかなかったのですが、コロナ禍で一気に増えて現在は全国で約300店舗、セラピスト(女風でサービスをする人)は約5000人まで増えています。そのうち100店舗、2000人が東京に集中しているようです。
昔から女性向けのサービスとして、出張ホストやレンタル彼氏、レズビアン風俗などがありましたが、あまりメジャーではありませんでした。2018年の映画『娼年』で題材に選ばれたことで少し知名度が上がってきました。最近は女風の新店が乱立して潰れる数も非常に多くなっています。
――なぜコロナ禍で需要が伸びたのですか?
水谷 コロナ禍で人と話す機会が減り、コミュニケーションを取りたいという気持ちの延長線で利用する人が増えました。性的なサービスだけでなく、通話コースや、食事やカラオケに行ったりするだけのデートコース、散歩だけのコースも利用されています。女子会プランもあって一緒に飲むだけだったり、男女の合コンに呼ぶこともあります。出会いの機会が減る中で様々な需要が発生しているんです。
――ユーザーの女性側の心理的なハードルは低くなっているのでしょうか?
水谷 昨年、人気女性YouTuberが「使ってみた」という動画をアップしたり、女性芸能人が利用した報道があったことで「私も使ってみようかな」という人が増えました。もちろん人によりますが特に20代は友達と一緒にノリで使ってみたりと抵抗感は少ないようです。
――どんな女性達が利用しているのでしょう?