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水谷 本当に様々で、一度だけ試してみる人、レジャー感覚で楽しむ独身の若い人や、既婚者も多いです。

 また、高齢者や障がい者の需要もあります。「中イキしてみたい」という思いから利用している70代の女性もいて、好奇心の強さと行動力に驚きました。

――どんなきっかけで利用するのでしょうか。

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水谷 処女の方が「彼氏ができて、初めてする前に練習したい」と利用することがあります。童貞の男性が風俗で練習する逆バージョンですね。また、彼氏から暴力を振るわれていたせいで男性が怖くなってしまい「男性に免疫を付けるために来た」という方もいました。「今の彼氏が大好きで結婚したいけど、性的には満足できないから女風を使っている」という女性も結構います。

――例えばどんなメニューがあるんですか?

水谷 お店によって違いますがメニューはとても豊富で、あらゆる要望に応えられるようになっています。女性としてはお金を介することで、夫や彼氏などの好きな人には言いづらい欲求を解放できるのだと思います。挿入は違法なので禁止されていますが、アナルは合法なのでメニューに載っていることが多いです。

既婚女性の多くは「罪悪感を抱かない」

――既婚女性の利用は多いんですか?

水谷 ユーザーの割合的には、既婚と未婚は半々くらいです。夫に対して全く悪いと思わない既婚女性は沢山います。

 その理由として、「妊活の時に協力してくれなかった夫に対する恨みが消えない、離婚を迫っても嫌だと言われる」という方や、「1人で子育てをして、夫の親の介護のために仕事を辞めて、一体何のために自分は生きているんだろうと思うようになり利用することにした」という方もいました。「夫に散々な目に遭わされたので全く罪悪感はない」という既婚女性は多いです。

「夫に秘密にする女性客は多い」 ©細田忠/文藝春秋

――夫に秘密にしている人が多いのでしょうか?

水谷 大体の人は隠しています。「夫公認」だと言っていた方は、旦那さんが女友達としょっちゅう飲みに行くのを止めてくれないので「だったら私は女風を使ってもいい?」と聞いたらOKだったそうです。その方は、「セラピストのことを本気で好きになってしまったけど、割り切って夫と子作りする」と言っていました。

 風俗通いは場合によっては、法的に不貞行為とされるため、配偶者から慰謝料を請求されることもあるようですが、そうしたケースは少ないようです。取材した中では、旦那さんにバレたという話は聞いたことがありません。皆さん「夫は甘いからバレない」と言っていました。

――初対面の男性とホテルで2人きりになるのは緊張しそうなのですが、最初のハードルを越えられるものでしょうか。