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牧秀悟、山本祐大、入江大生、石川達也…“1998年の呪い”を解くために、あの年生まれのベイスターズ選手たちにエールを

文春野球コラム 日本シリーズ2023

2023/11/02
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 ベイスターズ予報士の檜山靖洋です。

 勝てば自力優勝!の交流戦最終戦で勝てなかった。勝てば2位!のシーズン最終戦で勝てなかった。優勝を目指した今季、3位で終わった原因は、この勝負弱さなのか、はたまた……。

1998年を意識した今シーズン、それがプレッシャーになったのか?

 今シーズン、文春野球で書いた私のコラムは、1998年以来の優勝を意識したものばかり。今年は台風の目じゃなくて、台風の壁雲だ! 優勝争いの中心だ!と、コラムに書きました。あのときは本気で優勝するつもりだったのに。

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 私が出演しているNHK「おはよう日本」のホームページのブログ企画「プロ野球好き勝手対談」でも、1998年のユニフォームを着て、優勝しか考えていない!と豪語しました。

 1998年のレジェンドが登場したGET THE FLAG!シリーズは楽しかった。ローズさんの来日も胸熱でした。

 今年は台風の発生が少なく、10月30日現在で16個です。2010年に14個という少ない記録がありますが、それに次ぐ少なさで、1998年の16個と並んでいます。

 と、頭の中は1998年のことばかり。

 でも、ふと思ったのです。1998年以来の……とか、あのときはマシンガン打線で……とか、絶対的な抑えに大魔神が……とか。勝手にプレッシャーを与えているのではないか。1998年に囚われすぎではないか、と。

 今の選手や若いファンの方は、1998年のことなんて意識もしていないでしょう。

 優勝のために、いったん1998年のことは封印します!

ハマスタで観戦する筆者 ©檜山靖洋

今シーズンの思い出、“大洋の臭い”がプンプンする8月の熱い出来事

 8月にスターナイトを観戦しました。濱口投手の完投勝利、林選手の初お立ち台という良い試合でした。試合後にはハマスタ近くにあるベイスターズファンが集まるお店に行きました。その名も、「Baseball Hubまるは」

 大洋ホエールズのユニフォームもたくさん飾られています。

 お店のオーナーの鈴木さんは、学生時代に「明治大学大洋ホエールズ応援団」、通称「明大ホエールズ」というサークルに入って活動していたそうです。このお店には、明大ホエールズのОBの方たちが夜な夜な集います。明大ホエールズで鈴木さんの2年先輩に佐々木さんという、私の高校の先輩でもある方がいます。鈴木さんとか、佐々木さんとか、1998年の臭いがしますね。あっ、1998年は封印するんでした。

 佐々木さんに、明大ホエールズについてお話を聞きました。

「明大ホエールズは、1984年に設立したんですが、10年はもたず消滅したと思います」

 私が明治大学に入学した1993年には、この素敵なサークルの名前は聞きませんでした。

――どのような活動をしていたのですか?

「基本は神宮球場でのホエールズ戦の観戦。当時の神宮球場はガラガラだったので、自由集合で楽に観に行けたので」

――遠征もしたんですか?

「草薙キャンプに行ったり、甲子園球場に行ったり。1985年に、甲子園球場に行ったら、大洋ファンの席は、外野の2列、20人くらい。途中まで大洋が勝っていてヤバいと思ったら、バースの逆転ホームランが出て、正直ホッとしました。逃げるように甲子園を出たんだけど、結局梅田で阪神ファンと喧嘩しちゃいました」

 そして、某女子大のコたちがサークルにたくさん入ってきた時期があったそうです。その中には、熱烈な大洋ファンであり、司会者、フリーアナウンサーの玉置宏さんの娘さんがいたとか。私が「まるは」を訪れた8月の夜にも、玉置宏さんの娘さんがいらして、ご挨拶しました。

――サークル活動で良かったことは?

「当時は、横浜に住んでいても、大洋ファンて言うとバカにされていましたが、サークル仲間で集まって、盛り上がれたのが良かったです」

 1998年10月8日には、サークルのОBの皆さんで甲子園球場に集まり、胴上げを見たそうです。

 まるははシーズンオフも居酒屋として営業する予定だそうです。料理もおいしく、ベイスターズの映像も流してくれます! 明大ホエールズの思い出や、鈴木オーナーの、ここには書けないヤジの話など(苦笑)、聞けるかもしれません!!

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