10月2日に記者会見を行い、社名を「SMILE-UP.」に変更することを発表したジャニーズ事務所。同社はジャニー喜多川氏の性加害の被害者の補償に専念し、それが完了次第、「廃業」する方針を明らかにした。また、タレントのマネジメント・育成については新会社設立を明言。東山紀之(57)が社長、井ノ原快彦(47)が副社長に就任することを発表した。

 だが、10月4日には記者会見を行うにあたり、運営を任されていたPR会社が記者・ジャーナリストの「指名NGリスト」を持ち込んでいたことをNHKがスクープ。これに対して各方面から非難の声が上がるなど、混乱は未だに続いている。

2日の会見は2時間8分で終了 ©文藝春秋

 当の被害者たちはこの会見をどう見たのか。「週刊文春」は過去に取材に応じた元ジュニアに感想を聞いた。

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 1984年から1994年まで在籍した志賀泰伸氏(55)。6人組グループ「忍者」のメンバーとしてデビューしたこともある。15歳の時にジャニー氏による口腔性交を受け、以後約30~40回の被害に遭う。精神的に病み、デビューの時は体重が42キロまで落ちていた。

 志賀氏が言う。

「ジャニーズとメディアとの癒着がまだ残っている」

「前回の失敗の穴埋めのような会見。行き当たりばったり、後手後手で、芯も具体性もない。刺さる言葉がなく、全てがボヤけていました。まだ『(全容が)明らかになるのが怖い』と思っているのではないでしょうか。本来なら『ここまで悪いことをやっていました』としっかり伝えることで信頼が獲得できるもの。BBCがジミー・サヴィルの性暴力を追及した時だってそうだったでしょう。

 回答に納得できなかったから、記者の人は質問している。それを『まあまあ』と諌めた井ノ原氏の発言に対して拍手が起こったことに異常性を感じました。大事件が起こった後の会見なら、みんな責めるでしょう。もしこれがビッグモーターだったら、拍手は起こったでしょうか。ジャニーズとメディアとの癒着がまだ残っているように感じました」