「逮捕前日の夜11時頃に渡部容疑者のお父さんとお母さんが警察に送られ、憔悴した様子で自宅に帰ってきて、何があったんだろうと思いました。
翌日、警察署で事情聴取を受けていた息子さんはそのまま逮捕されたようです。昼12時ぐらいにお母さんの泣く声が聞こえてきて、外を見ると家の前には警察のワゴン車が2台並んでいました。
お父さんはお母さんに『大丈夫だから!』と親指をあげて無理したように笑顔をつくっていました。お母さんは階段の踊り場から大泣きしながら、捜査協力のため警察に連れられていくお父さんに手を振っていました」(渡部容疑者宅の近隣住民)
家族にとっても、まさに驚天動地の犯行だったに違いない。
広島県警は10月1日、広島市佐伯区内の住宅で2021年10月に植木秀俊さん(当時70)の遺体を切断した後、海や住宅の敷地内に遺体を捨てたとして、渡部大地容疑者(31)を死体損壊と死体遺棄の疑いで逮捕した。事件現場の戸建ては渡部容疑者の祖母が1人で暮らしていた。祖母は事件当時は不在だったという。
植木さんの遺体は切断されたとみられる。2021年10月31日に植木さんの妹から行方不明届が出ていた。
山口県周防大島町の海岸で右足を発見
事態が大きく動いたのは、同年11月。山口県周防大島町の海岸で植木さんのものとみられる右足が発見されたのだ。さらに今年4月に広島市佐伯区のみずとりの浜公園で両腕のない植木さんの上半身が流れ着いた。
県警は渡部容疑者が逮捕された1日、捜査本部を設置。植木さんへの殺人容疑も視野に捜査を進めている。
「小学校高学年で2年間クラスが一緒でした。その頃、大地くんは特別支援学級にいて体育の時間と給食の時間以外、座学の勉強は一般生徒と一緒にいませんでした。家の方向が一緒の子と共に下校する姿は見たのは覚えていますが……。会話はたまにするけど、いつも1人静かに机に座っていた印象です。中学は1学年300人越えのマンモス校だったので、小学校以上にすっかり影が薄くなりましたね」(渡部容疑者の同級生)