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加害企業ジャニーズ事務所に乗せられた報道陣の完敗だった…出席記者らが口を揃える「異様な空気」の正体

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「司会の松本和也氏が質問者を選別していることは、その場ではっきりわかりました。ジャーナリストの鈴木エイト氏やYouTube番組『Arc Times』の尾形聡彦編集長、そして私など、特定の記者は指名されません。たとえ目が合っても」

当日は望月記者や尾形編集長が関連質問をさせるよう求めたり、「指して下さい」と求めたりするたびに、ムービーカメラマン席に近い後方に陣取った、短髪でかっぷくのいいYシャツ姿の男性が「ルールを守れ!」「司会はしっかりしろ‼」などと怒鳴り声をあげていたという。望月記者は「前回には全くなかった声で、正直、ものすごい威圧を感じた」と当時の印象を振り返る。

NHKのスクープにより公平な会見ではなかったことが判明

その後、10月5日、NHKのスクープにより、「氏名NG記者(指名NG記者)」「氏名記者(指名記者)」のリストがあったことが発覚。望月記者は、リストの存在を知った現在の思いについて、率直にこう語った。

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「正直、がく然としました。なんというか官邸で目をつけられていたのとは、違うショックですね! 当日、FTI(会見を運営したコンサルティング会社ファストトラックイニシアティブ)の人が私にあいさつに来て、『今日はよろしくお願いします。司会は変わります』と言っていたので、前回より少しはまともになるかなと思いきや、まさかの無視。声を挙げても、東山氏も井ノ原氏も答えず『落ち着いて』と……。結局、リストで当てないと決めておきながら、あんなあいさつをしてきたのかと、ショックでしたね」

しかし、リストの発覚により、そのいびつな忖度(そんたく)の構造が白日の下にさらされた。

「こんなことばかりして、ジャニーズ事務所はのしあがり、それをサポートする記者やリポーターたちがいて、尊大なジャニーズ帝国を生み出し、被害者の少年をたくさん産んだのだなと改めて思いました」(望月記者)

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