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加害企業ジャニーズ事務所に乗せられた報道陣の完敗だった…出席記者らが口を揃える「異様な空気」の正体

source : 提携メディア

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運営スタッフとカメラマンの連携にも疑問を抱く

さらに、運営スタッフが前方にいたスチールカメラマンに、望月氏らを撮影するよう指示していた疑いもある。

編集部の小田さんは「左側の壁際にいたスタッフが、ある男性カメラマンに何度も歩み寄って、なにやら指示していました。通常、運営側がカメラマンに指示をするなら、その人はオフィシャルカメラマンであるはずですが、なぜ記者である望月さん、尾形さんを撮影しているのだろう? と、強い違和感を覚えました。しかも、カメラマンの男性はニヤニヤしながら撮影をしていて、印象が悪かった」と語る。

5つめの謎は報道陣のリテラシーの低さ

石川レポーターは、これまでも芸能界の重大会見に出席してきただけに、取材する側も対策ができていなかったのではと感じている。

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「取材する私たちが、『これは組織的な性加害を起こした会社の会見だ』ということをどこかできちんと示さなければいけなかった。最初は(報道のプロである)新聞社などの代表質問にすれば良かったのにという思いはある」

ベテランとして、後続のレポーターに苦言も呈する。

「(特定の質問に対して)答える気がない人に何を聞いても無駄なんですよ。そもそも被害者への補償額などは決まってないのだから、答えようがない。今回、会見がこんな荒れ方をしたのは、今の記者がみんなへたくそだから。1人1問と言いつつ、いくつもだらだら聞いて質問中に説教までして、問いが長すぎるから、他社の記者と連携して聞くことができなくなる。

昔は梨元勝さん(故人)など会見を仕切れる人がいて、単刀直入に短い質問をし、次々に他の記者が関連質問をしたので、つながるし、結果的に内容が深まった。ジャニーズ事務所は(4時間かかった)前回の会見の反省から、2時間1社1問にしたのだろうけど、あんなやり方じゃ1社ずつ制限を設けずにやってもダメ」(石川氏)

ジャニーズ事務所は早急にもう一度会見を開くべきではないか

編集部の小田さんも、取材する側として考えさせられたという。

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