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加害企業ジャニーズ事務所に乗せられた報道陣の完敗だった…出席記者らが口を揃える「異様な空気」の正体

source : 提携メディア

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「私自身、質問時に性加害問題の核心に切り込めず反省していますが、1問1答で短く済ませ、次の人に回そうとは思っていました。本当は、9月に『今後1年間、タレントのギャラを事務所分は取らず、タレントに100%支払うようにする』と発表したジャニーズ事務所が、エージェント制になるとギャラはどうなるのかなど、新体制について質問したかったが、それは質疑応答後半で他の媒体が聞いてくれるだろうと見込んでいました。しかし、1社1問という制限をかけられ、会見も混乱し、そんな基本的な質問も出ずに終わってしまい、とても残念です。

YouTuberなど、大手メディアではない質問者の言葉遣いで気になったのは『このたびは会見を開き機会を与えてくださってありがとうございます』というお礼。そんなあいさつは必要ありません。『(新体制でのタレントケアを)ちゃんとやってくれると思いますけれど、心配なので質問させてください』というへりくだった言い方も気になりました。これは問題を起こした企業の会見であり、質問者が下手に出るのはおかしい。できれば報道サイドは毅然(きぜん)とした態度で、一緒に追及していきたい」

事務所や運営会社の強引な手法と報道陣の混乱で、見守った多くの人たちにとってもスッキリしない内容になった今回の会見。ジャニーズ事務所は、今回の反省をもとに、もう一度、まっとうな質疑応答の場を開くべきではないだろうか。

田幸 和歌子(たこう・わかこ)
ライター
1973年長野県生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーライターに。ドラマコラム執筆や著名人インタビュー多数。エンタメ、医療、教育の取材も。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)など
加害企業ジャニーズ事務所に乗せられた報道陣の完敗だった…出席記者らが口を揃える「異様な空気」の正体

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