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加害企業ジャニーズ事務所に乗せられた報道陣の完敗だった…出席記者らが口を揃える「異様な空気」の正体

source : 提携メディア

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事務所のやり口をサポートするマスコミの罪は深い

元・日刊スポーツ新聞の芸能記者であり、ジャニーズ事務所との付き合いも長く、現在はニュースサイト「ENCOUNT」(エンカウント)編集長を務める柳田通斉氏は、自社記事で自ら拍手したことを記していた。なぜ拍手をしたのかという問いに対してこう語る。

「ヤジも飛び交う会場の荒れた空気が、井ノ原氏の言葉で変わった。これで止まっていた会見が動き、また質問のチャンスを得られることでの拍手と思い、私も反応しました」

ちなみに、柳田氏は「ジャニーズを去った白波瀬氏 最後までメディアコントロールを試みた“クレーム”の内容」など、ジャニーズに対する批判的な記事も執筆している。そんな記者でも拍手したというのは、いったいどんな状況だったのだろうか。

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石川敏男氏が不規則質問をする記者に抱いた不満

この日、記者会見に出席したのは合計294人。ムービー73人(29社)、スチールカメラマン54人、ペン記者167人だった。

この道35年の芸能レポーター・石川敏男さんも最前列に座っていた。他の参加者からは「女性記者に大声でヤジを飛ばしていた」とも言われていたが……。

「ヤジは飛ばしていないですよ。『君ら、しつこいね』『質問長えよ!』と言っただけ。質問は短くと言われたのに、長い人がいたから……。しかも、東山、井ノ原の両氏も、一応受けようとするから、余計ややこしくなっている気がしました」

そんな石川レポーターもジャニーズ事務所サイドというわけではないという。

「自分は、拍手はしていない。むしろNGリストがあったと聞いて、自分もその中に入っていたんじゃないかと思ったくらいですよ。前回も今回も最後の方で当たったわけだし、質問がキツイとよく言われるから」

実際の現場は、中継で見るのとは異なる荒れ方をしていたと言い、「井ノ原氏が言ったことは正論だと思うし、気持ちとしてはわかる」としたうえで、拍手は異常だと断言する。

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