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『コタツがない家』は、2019年の連ドラ『俺の話は長い』(日本テレビ系)で向田邦子賞を受賞した金子茂樹氏が脚本を担当し、同作のスタッフが集結しているそうですが、小池さんはこの作品で主人公の姉役を演じていました。『俺の話は長い』での演技がスタッフたちから高く評価され、今回の主演につながっただろうことは想像に難くありません。

 ちなみに『俺の話は長い』と『コタツがない家』の小池さんが演じるのは、勝ち気ながら愛情深いキャラクターで、小池さん自身のパブリックイメージをそのまま踏襲したような役柄。『コタツがない家』でも、持ち味を生かして演じ切るのではないでしょうか。

『コタツがない家』(番組公式SNSより)

俳優業で大成し、番組MCとして生き残る“困難さ”

 大胆でグラマラスなスタイルを武器にグラビアアイドルとして鮮烈にデビューし、バラエティ番組に進出してワードセンスと絶妙な間で笑いの才能を見せつける。いつしかバラエティ番組や情報番組などのMCに抜擢されることも増え、同時並行していた俳優業では個性的なバイプレイヤーとして演技力に磨きをかけていく。そしてとうとうGP帯連ドラで主演の座を射止めました。

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 グラビアでトップレベルの人気を獲得してバラエティに進出しても、平場のトーク力が弱く、いつの間にか姿を見なくなる人は少なくありません。若槻千夏さん、小倉優子さん、磯山さやかさんのようにバラエティタレントとして活躍を続けたとしても、小池さんのようにMCまで登りつめるのは独自路線だといえるでしょう。

 一方、綾瀬はるかさんや吉岡里帆さんのように、俳優業に軸足を置いているグラビア経験者は別として、グラドルから女優として大成するのは、バラエティで生き残るよりもさらに狭き門ではないでしょうか。小池さん以外では、井川遥さんや釈由美子さんなど少数派だと思います。

 つまり小池さんは、グラドル出身かつタレント業で番組MCという天下を獲り、俳優業でGP帯連ドラ主演という、“二刀流”の活躍をする稀有な存在なのです。

©文藝春秋

 いよいよスタートする主演作『コタツがない家』では、パンチの効いた主人公像をつくりあげ、俳優としての評価を高めることでしょう。小池栄子の唯一無二の芸能人生はここから先、さらに飛躍していくのかもしれません。