「イノッチは、ズバリ敵をつくらないタイプ」
31歳で俳優・瀬戸朝香と結婚。中学生の息子と小学生の娘がいる。
「瀬戸も中学卒業と同時に上京しすぐに芸能活動に専念したので、高校生活を経験していないんです。だからこそ『子どもの教育は大切』だと、子どもたちのお受験対策にはすごく熱心な夫婦でした。上の子のときなんて1歳の誕生日の前からお受験塾に通っていました。
イノッチは、ズバリ敵をつくらないタイプ。柔軟な対応を誰にでもする人で、例えば取材の席でも『大丈夫? 書くこと足りる? もうちょっと面白いこと思い出そうか?』なんて言ってくれる、ジャニーズには珍しい人でしたから」(同前)
会見ではこんな場面があった。母親の故・藤島メリー泰子氏との関係を問われたジュリー前社長は、「普通の母子関係とはまったく違い、ざっくばらんな話をしたことはなかった。(ジャニー氏の性加害についても)家族間でそういう話をしたことは一度もなかった」という旨を話した。
見て見ぬふり、聞こえぬふりをしてきただけ
さらに会見を振り返ると、井ノ原はそのエピソードをフォローするように、「晩年、(ジャニー・メリー・ジュリーの)3人でいるのを初めて見て、写真を撮りたいくらいでした。それくらい複雑なところがある事務所だった」という趣旨の発言をし、その具体性は会見を目にした多くの視聴者にも伝わった。
「しかし、今回の調査報告書にも〈メリー氏が『ジャニー氏は病気だから。』と言っていた〉などの証言が掲載されており、性加害についてメリー氏による放置と隠蔽が指摘されています。かなり昔ですけれど、酒席でジュリー氏から、ジャニー氏のセクシュアリティにも関する家族のセンシティブな話を聞いたことがありますよ。
見て見ぬふり、聞こえぬふりをしてきただけで、一部ではあれだけ報じられ、裁判にもなった案件です。まったく家族で話題を共有しなかったというのは、無理があるのではないでしょうか」(映像会社役員)
いまとなっては、身内に「鬼畜の所業」とまで言われ、性加害者と認定されたジャニー喜多川氏も、弟を守り続けた藤島メリー氏もこの世にはおらず、死人に口なし状態である。
喜多川・藤島一家の独特な家族関係をフォローした井ノ原の発言は、誠実さからのものなのだろう。だが無意識だとしても、事実を隠すベールになりはしないだろうか。