掌返しの言葉に感じた「これ、プロスペラだ」
――特に印象に残っているディレクションは?
能登 スレッタとの会話の際に「そこまで親身になりすぎないでください」と言われたのをおぼえています。
最初、私はお母さんとして親身になる距離感で話しかけていたんですけど、「もうちょっとそこの距離は離してください」と。そこで「なるほど、そういう方向性なんだな」と、自分でも理解できた感じです。
――プロスペラという役どころを摑んだ、と感じたのはどのタイミングでしょう?
能登 それまで散々「エアリアルはガンダムじゃない」と言っていながら、第7話で「いいえ、ガンダムよ」と前言を翻すんですけど、その伝え方、温度感、距離感、少し汚くすらある大人のしたたかさが、自分の中ですごく腑に落ちたんですよね。
あの軽さは、スレッタからしたらビックリなことだと思うんですけど、ああいった掌の返し方のお芝居が自分のなかから出てきたときに、プロスペラと繫がった気がしました。「これ、プロスペラだ」と。あのシーンは非常に印象深くおぼえています。
「ここまでやったらやりすぎかな?」と思いながら演じたら…
――放映中、視聴者がSNSで反応していたのはご覧になりましたか?
能登 「プロスペラ、そんなに怖かったかな?」と(笑)。でも、みなさんから「怖い」と言われたところだと、パーティでミオリネをガンガン詰めていくところ(第7話)は、わりとテイクを重ねていて、「みんなでつくっていったプロスペラ」でした。
それがミオリネの耳元でささやいてから「あなたが次の総裁になりなさい」と言い放つ一連の流れ(第16話)では、「ここまでやったらやりすぎかな?」「テストでだめだったら下げよう」と思いながら演じたのですが、そのままOKだったんです。あそこは、自分で持っていった流れでしたね。
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能登さんが、スレッタとミオリネについて語る、ロングインタビューは、発売中の「週刊文春エンタ+ 『機動戦士ガンダム 水星の魔女』『機動戦士ガンダムSEEED』」でお読みください。
能登麻美子
のと・まみこ 石川県出身。1998年に声優としてデビューし、数々の人気作品で主要キャストを担当する。代表作は『君に届け』シリーズの黒沼爽子、『地獄少女』シリーズの閻魔あい、ほか多数。
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Season2のBlu-rayが発売中。10月27日にSeason2 vol.2も発売。特装限定版は描き下ろしイラスト仕様の収納BOXや特製ブックレットほか、スペシャルドラマCDなど豪華な特典が付属する。続巻も順次発売。