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成人雑誌を燃やされ、自慰を禁じられても、母が大好きだった…元C-C-B関口誠人が語る「宗教2世」の苦しみ

source : 提携メディア

genre : ライフ, 社会, 芸能

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母親の影響は大きく、中学1年生の時にバプテスマ(洗礼)を受けた。だが、教団の教えと学校の同級生との価値観の違いから徐々に不信感が芽生え始めた。そして、ある決定的な出来事が、脱会のきっかけになった。

「17歳の時にタバコを理由にエホバの証人を排斥になったんです。でも、正直いって、これでようやく解放されるという安堵(あんど)の気持ちのほうが大きかったですね」

エホバの証人は喫煙を禁じている。

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それは、もしかしてわざとだったのだろうか。

「僕、中学の時、学校でいじめられていたんですよ。理由がエホバで勧誘の家庭訪問の活動をしていることがうわさになっていて。それで、ヤンキーと仲良くなればいじめられないんじゃないかと思って近づいて仲良くなったんですね。本当はいかんのだけども、そうすると当然、タバコを吸ったりもするようになってしまった。習慣化して、17歳の時に他の信者に街で見つかって密告されてしまったんです」

20歳の時に輸血拒否で母は逝った

排斥されたことで、他の信者との会話は禁じられた。家族も例外ではなく、母親と口を利くこともほとんどなくなった。

しかしそれは、結果としてよかったのかもしれないと関口さんは振り返る。

「エホバの世界より、外の世界の方が魅力的だったし毎日が楽しいことだらけだった。憂鬱(ゆううつ)な週3回の集会ももう出なくていい。でもそんな夢のような日々は短期間で終わっていくんですけどね。当然のことだけど、世の中に出たなりの苦悩を知って、結局、人の苦悩の絶対量は大して変わらないような気がすると思うようになりました。ただ、そんな時に出合ったのが、エレキギターだった。衝撃でした。教団にいる時には考えられないことですから」

20歳の時に母親が病気で亡くなってしまう。がんだったが、母親はエホバの教えに則って最後まで輸血を拒否し、衰弱していった。

「母は自分の意思が強くて、輸血を拒んでいたので、それはそれで立派な人だったと思うし、自分の意思で、死をも恐れず、信仰を選んだわけだから、尊敬に値すべきことだと思うんです。でも、子供とか、まだ判断力のない人間に、親がそんなことするのはいかがなものかというのはあります」