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この小説は、久好さんら三人の先生方の熱い思いと、それに応えた生徒たちの奮闘に感銘を受けて書いたものです。
いわゆる“普通”の高校生がほとんど登場しない物語ですから、青春小説にはなり得ないだろうと思いつつ筆を執っていましたが、書き終えてみればそこには確かに「青春」がありました。
それぞれのタイミングで訪れた彼らの青春にエールを送りつつお読みいただければ、著者としてこれ以上の喜びはありません。
伊与原新(いよはら・しん)
1972年、大阪生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻。博士課程修了後、大学勤務を経て2010年、『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。19年、『月まで三キロ』で新田次郎文学賞、静岡書店大賞を受賞。20年刊行の『八月の銀の雪』は直木三十五賞候補、山本周五郎賞候補となり、21年、本屋大賞で6位に入賞。近著に『オオルリ流星群』。