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このプロジェクトが立ち上がった時、ディカプリオは、一連の事件を調べるFBI捜査官トム・ホワイトを演じる予定だった。しかし、外からではなく、内側からこの話を見つめると決め、ディカプリオには、オセージ族の女性モリーと結婚する白人男性アーネスト・バークハートを演じてもらった(トム・ホワイト役にはジェシー・プレモンスが抜擢された)。
アーネストはただのお金目当てなのか、それともモリーに対する真の愛があるのか。その微妙な関係を、ディカプリオとモリー役のリリー・グラッドストーンが見事に描く。
ふたりの役者同士の間にあった、自然でリアルな関係
「ふたりが初めて一緒に食事をするシーンは、私のお気に入り。モリーは彼に多くの質問をする。まるで尋問するみたいに。彼女が彼をコヨーテに例え、『コヨーテはお金が好きよね』と言うと、アーネストはあっさりと『そうだね、僕はお金が好きだ』と認める。
彼女は自分がどんなところに足を踏み入れようとしているか、わかっているんだ。だが、別のシーンでオセージ族の人々と話している時には、お金だけじゃないと思う、彼は良い人だ、というようなことも言う。
運転手のアーネストが客のモリーに何かを言い、モリーがわざと先住民の言語で答えて、彼が『今、ハンサムな悪魔って言ったのかな』と返すシーンがあるが、実は、あれは全部アドリブ。リリーの笑いは演技でなく本物。ふたりの役者同士の間には、自然でリアルな関係があったんだ」