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「自分の身に起きた出来事を克服したい」

 自身が性被害に遭う前、実は加藤氏は他のジュニアが寝ている隣でジャニー氏に襲われている場面を耳にし、「もう合宿所に行きたくない」と親に伝えたことがあった。しかし、息子の身に何が起きていたのか知らない母親は加藤氏に「どうして、行きなさい」と告げたという。その時は「やっぱり親を喜ばせたい」という思いからレッスンへ向かったという加藤氏。しかし、自身が性被害を受けた後の1996年秋、加藤氏は何も言わずにジャニーズ事務所を退所したという。

 その後、加藤氏は暴走族や悪い仲間とつるむようになり、20代は流されるままに生きたが、更生。サラリーマン生活を経て、昨年6月に餃子の店をオープンさせた。

昨年6月に「餃子職人 どんこ」をオープン ©︎文藝春秋

 加藤氏は言う。

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「自分も声を上げることで、他にも賛同する人が出てきて、世の中ひとつでも変わればなという思いもあります。でも一番は自分自身が自分の身に起きた出来事を克服したい思いで、話をする覚悟を決めました」

 SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)に加藤氏の証言について事実確認を求めると、次のように回答した。

「関連報道における個別の告発内容については、弊社はコメントを差し控えております。これは、10月2日に発表した被害者救済の方針に則り、性加害に遭われた方々を保護し、その人権に配慮しているからでもあります」

 現在配信中の「週刊文春電子版」では、加藤氏の告白全文を配信している。合宿所で目撃したという“壮絶ないじめ”、同期の今井翼と一緒に車に乗っている時にジャニー氏から言われた幻のユニット名、あまりにもショックで記憶から消えてしまったというジャニー氏の行為、そして、事務所を退所後に餃子の店をオープンさせるまでの人生などを明かしている。

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