10月31日、埼玉県蕨市の郵便局で拳銃を持った男が2人の女性郵便局員を人質に立てこもった事件。人質強要処罰法違反容疑で逮捕されたのは、郵便局から2kmほど離れたアパートに住む、鈴木常雄容疑者(86)だ。立てこもり以外にも、郵便局に辿り着く1時間前には鈴木の自宅アパートで火災が発生したほか、自宅近所の戸田中央総合病院でも発砲事件が発生し医師ら2人が負傷するなど、近隣を恐怖のドン底に陥れた。
「バン!という音がして、最初は火事というよりガスか何かが引火して爆発したのかと思いました。すぐに何台も消防車は来るし、黒い煙がモクモクと上って、隣にあるショッピングセンターの駐車場にまで燃えカスがたくさん溜まっていきました」(アパート近隣住民)
鈴木は調べに対し、「自宅に放火した」などと容疑を認めているほか、郵便局内からも灯油のような液体の入った18リットルの容器、ペットボトル2本を押収しているという。
「弾が飛んでくるかもしれない」
鈴木が確保されるまでの間、規制線の内側で過ごした住民たちは不安な夜を過ごしていた。現場から200メートルの一戸建てに住む住民男性が話す。
「ベランダで洗濯物を干していたカミさんに『なんだか表が騒がしいことになってるからアンタ見てきてよ』と言われて外に出ると、警察官が近寄ってきて『弾が飛んでくるかもしれないから家に戻ってください』となだめられた。家に戻ってテレビみて、びっくりでしたね。仕事帰りの娘は警察官に付き添われて、何とか帰宅できました。