米国がウクライナに戦争継続を強いている理由
〈いわゆる「反転攻勢」とは、西側陣営が大量の兵器を供与することでウクライナ軍を増強し、冬の間に構築されたロシアの防衛線を突破して、占領された領土全体の奪還をめざすものでした。
この「反転攻勢」は、米国がウクライナを勇気づけるためのものというより、米国がウクライナに強いたものであるように私には見えます〉
空約束の軍事支援をちらつかせて、ウクライナに戦争継続を強いているのは、米国なのである。
〈戦争が始まって高揚したウクライナのナショナリズムを見て、「これは、不倶戴天の敵であるロシアを弱体化させる絶好のチャンスかもしれない」と米国は考えたのです〉
〈米国は、勝敗はほぼ決まっているのに、ウクライナに対して武器供与を約束することで――実際には約束を守れていないのですが――、戦争を無理に長引かせようとしてきたのです〉
ウクライナ戦争の“真実”
しかし、この戦争が長期化すればするほど、多くの犠牲を強いられるのは、ウクライナの人々だ。
〈戦争が長期化するほど、多くのウクライナ人が犠牲となり、ウクライナの建物や橋が破壊されていきます。実際、「反転攻勢」が始まった6月4日以降、ウクライナ側で大量の死者・負傷者が出ています〉
ここから、ウクライナ戦争の“真実”が明らかになる。
〈米国は“支援”することで、実はウクライナを“破壊”しているわけです〉
エマニュエル・トッド氏が、ウクライナ戦争の現状を分析し、緊迫化するイスラエル・パレスチナ問題にも言及した「米国はすでに敗北している」は、「文藝春秋」2023年12月号(11月10日発売)、および「文藝春秋 電子版」(11月9日公開)に掲載されている。
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