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連載池上さんに聞いてみた。

池上彰氏「ネーミングライツビジネスから読み解く日本企業の盛衰」

池上彰氏「ネーミングライツビジネスから読み解く日本企業の盛衰」

池上さんに聞いてみた。

2018/03/28

Q なぜ大阪府立体育会館が「エディオンアリーナ大阪」に?

 大相撲春場所が大阪で開催されました。会場が「エディオンアリーナ大阪」と聞いて、昔は大阪府立体育会館だったのに、と思いました。名称が変わったんですね。こういった企業名がついた施設が増えているような気がするのですが、所有者が変わったということなのでしょうか?(40代・女性・パート)

A 所有者が変わったわけではなく、「ネーミングライツ」(命名権)ビジネスです。

 これは「ネーミングライツ」(命名権)ビジネスですね。所有者が変わったわけではありません。施設に命名する権利を企業に一定期間売るという商法です。エディオンは業界3位の家電量販店。大阪府立体育会館でイベントやスポーツ競技が行われるたびにエディオンの名前が連呼され、いい広告になるというものです。

 エディオンの契約は2015年9月からで、年間の契約料は2100万円だそうです。

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 どの企業がネーミングライツを買ったかを見ることによって、企業の盛衰を見ることもできます。たとえば神戸総合運動公園野球場は2003年から「Yahoo!BBスタジアム」となった後、「スカイマークスタジアム」になりますが、現在は、「ほっともっとフィールド神戸」になっています。

 企業の宣伝のためとはいえ、数千万円単位の資金を出せるところは限られますからね。

©iStock.com

 こうしたネーミングライツは全国に広がっています。いくつかの例をご紹介しておきましょう。流山市民総合体育館は「キッコーマンアリーナ」に。千葉マリンスタジアムは「ZOZOマリンスタジアム」に。東京スタジアムが「味の素スタジアム」、横浜国際総合競技場は「日産スタジアム」です。

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