宝塚歌劇団宙組の劇団員・有愛きい(25)が、マンション敷地内で死亡しているのが見つかった9月30日に、宝塚歌劇団を運営する阪急阪神ホールディングス(HD)会長の角和夫氏が阪急電鉄役員のゴルフ会に参加していたことが「週刊文春」の取材で分かった。事件の一報がもたらされたあとも、ゴルフ会を続行していた。「週刊文春」の取材に事実関係を認めている。
死亡の報を受けてなお、ゴルフに興じていた
きっかけは阪急関係者からの以下のような情報提供だった。
「有愛さんが他界したのが9月30日未明。当日の朝には阪急の首脳に一報が入っていました。ところが、角和夫会長、嶋田泰夫社長、野村欣史専務(コンプライアンス・リスク管理、人権啓発などを担当)ほか、電鉄役員らが、角会長が理事長に就いている西宮カントリー倶楽部でゴルフに興じていたのです。大切な劇団員の命が喪われたというのにゴルフを優先させており、許しがたい。それを今の今まで隠蔽しているのです」
さらに、別の疑惑もあるという。
「また角会長は、ダイキン工業の欧州子会社であるダイキンヨーロッパ社の創業50周年記念式典に出席するため、夫人とともに、10月8日から1週間あまり、欧州に出かけていました。本来なら、旅行を取り止めて、歌劇団の問題の究明とその解決に即座に心血を注ぐべき立場にありながら、事前に決まっていた欧州行きを優先させたのです」
もしこれが事実とすれば阪急阪神HDの企業統治にも関わる重大な問題を放置し、同社の一部門である歌劇団に問題を丸投げしていたとのそしりは免れまい。
11月20日朝、阪急阪神HDに質問状を送付したところ、締切と設定した17時を過ぎても回答がなく、その後、広報担当者が「少し遅れますが、絶対に回答します」とした。そして19時35分に以下の回答があった。